2005年09月03日
にきび跡の種類
にきびのあとには、いくつかの種類があり、治療法もそれぞれ異なります。
●しみ・・・色素沈着による茶色のしみです。平らなため肌の凹凸はありません。
特別な治療はしなくても自然に消えていきます。
●赤斑(こうはん)・・・赤みをおびた斑点です。化膿したにきびが治った直後に見られ、自然に治るか、
しみとなって残ります。
●瘢痕(はんこん)・・・化膿したにきびのあとです。平らな瘢痕は、数年で自然に治ります。
成人型にきびと卵巣のうしゅ
成人型にきびが出来やすい場合、「卵巣のうしゅ」の可能性も考えられます。
●卵巣のうしゅ・・・良性の腫瘍で、卵巣に袋状のしこりが出来ます。
種類はいくつかありますが、中には男性ホルモンを生成するものもあります。
治療法としては手術による摘出がほとんどです。
成人型にきび
大人になってから出始めるにきびや、思春期の頃から継続しているにきびの事を、
「成人型にきび」と言います。
成人型にきびができる原因は、思春期時のホルモンとは異なり、生理やお化粧と大きく関わって
きます。
成人型にきびが出来やすい人には、「卵巣のうしゅ」という病気が発見されることがあります。
にきびとお化粧−2
にきびがある場合、油性のファンデーションの使用は控えましょう。
油性のファンデーションは、毛穴をふさいでしまうため、にきびはさらに出来やすくなります。
また、洗顔時にこすられたにきびは、ただれてしまう事もよくあります。
にきびの悪化を防ぐためには、パウダータイプや乳化タイプ使用をおすすめします。
にきびとお化粧−1
通常、にきびがある時のお化粧は問題はありませんが、注意が必要なお化粧用品はあります。
【アルコールの入ったローションは注意】
赤く炎症を起こしているにきびは、アルコールの刺激により、さらに赤くなったり痛みが
増したりするので、使用は控えましょう。
洗顔の回数
にきびの予防ならびに治療には、洗顔は欠かせません。
1日最低2回、もしくは3回の洗顔が必要です。朝、帰宅時や入浴時、寝る前の3回が理想的です。
お化粧をしている女性の場合は、帰宅時には化粧を落として 清潔な肌を保つよう心がけましょう。
洗う時は、洗顔料を泡立てて、こすり洗いではなく「なで洗い」をします。また、市販の洗顔料は
特に差はないため、「洗う回数」と「洗い方」に重点をおきましょう。
にきびには触らない
通常、にきびは放置しておけば、そのまま自然に消えていきます。
しかし、中身をしぼり出したり潰したりしますと、炎症を起こしたり、皮膚の中で内出血が起こることも
あります。
こうした刺激を与えると、にきびの治癒は遅れ、また治った跡もしみとなって残ったり、
肌に凹凸が出来てしまいます。
医師によるにきび治療法− 黒にきび
黒にきびには、「面疱(めんぽう)圧出」という治療法があります。
●黒にきび・・・毛包に皮脂や古い角質などが詰まり毛穴から排出されず、また、
毛穴がふさがっていないために、黒い点のように見える。
医師によるにきび治療法−内服薬
にきび治療の内服薬としては、ミノマイシン/ルリッド/ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCを
処方します。ビタミンB2、B6はビタミン皮脂の分泌を抑えるためのものです。
通常、朝、夜の食事の後に服用します。
また、定期的な血液検査や尿検査で体内への副作用の有無を確認します。
●ミノマイシン・・・炎症をおこす細菌の働きを抑制します。
●ルリッド・・・にきび炎症の原因である細菌だけでなく、細菌よりやや小型の微生物の発育も抑えます。
医師によるにきび治療法−塗り薬
にきび治療の外用薬は、トレチノイン、ダラシンローション/ダラシンゲル/アクアチウムを使用します。
その他にも、抗生物質入り外用剤/硫黄入りローション/非ステロイド系消炎外用剤などがあります。
いずれも、洗顔後に使用して、すりこまずに肌にのせるようにして使います。
医師によるにきび治療法−洗顔
皮膚科では、洗顔料を使用した詳しい洗顔方法を指導します。
洗顔料は通常患者が使用しているものを用います。
<ポイント>
●1日3回は洗顔します。 朝、帰宅時、入浴時もしくは就寝前。
●にきび部分は2度洗いをする
●洗顔料や石鹸をよく泡だてて、素手でなで洗いする
皮膚科での治療法
皮膚科医がにきびを治療する場合は、いくつかの治療法を順番に行い、様子を見ていきます。
【1】 洗顔とぬり薬による治療を3ヶ月 → 【2】 ビタミンB2、B6、Cの服用を3ヶ月
→【3】 抗生物質か漢方薬の服用
必ずしも、上記の期間を要するわけではなく、にきびの症状や患者の希望をくみながら
治療していきます。
化膿したにきび−2
にきびが化膿した場合には、皮膚科医に相談し適切な処置をすることが大切です。
<医師による治療法>
●化膿している部分を切開し、中の膿を取り出します。
早めの治療により、にきび跡もできにくくなります。
●抗生物質を使用します。4日から1週間ほど服用します。
●手術で粉瘤(ふんりゅう)を取り除きます。
【粉瘤】・・皮膚の中で古い角質がたまったしこりのことを言います。
化膿したにきび−1
にきびが大きくなり化膿した場合、自分で中身をしぼり出すことは絶対にやめましょう。
化膿したにきびを潰すと、化膿の原因である細菌がまわりに広がり、広い範囲で皮膚に炎症や
ただれが起きてしまいます。 また、炎症が長引くと皮膚に跡が残ってしまいます。
にきびが悪化した場合には、皮膚科医に相談することをおすすめします。
市販のにきび専用薬
市販のにきび専用薬は、安全性に重点がおかれています。そのため、濃度が低く効き目はあまり
ありません。 しかし、強い刺激などによる大きなトラブルをさけることはできます。
市販薬を使用しても、にきびが治らない場合には、皮膚科で相談して、適切な薬を処方してもらう事が
大切です。
にきびの予防と治療−抗生物質
抗生物質はにきびの働きを抑える役割があります。しかし、長期間にわたり服用することが多いため、
定期的に血液検査を行い副作用の注意が必要です。
<にきび治療に用いる抗生物質>
テトラサイクリン/ミノサイクリン
にきびの予防と治療−漢方薬
にきびの症状や体調により、使用する漢方薬は異なります。
医師や薬局で相談して適切な薬を使用しましょう。
<にきび治療に用いる漢方薬>
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょとう)/十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう) など。
にきびの予防と治療−塗り薬
にきび専用の塗り薬は、いくつか種類があります。使用方法は皮膚にすりこむのではなく、
のせる様にして使います。
<にきび用塗り薬>
抗生物質入り外用剤/硫黄入りローション/非ステロイド系消炎外用剤
にきびの予防と治療−ビタミン剤
にきび予防には「ビタミンB2」と「ビタミンB6」が効果があります。
ビタミンB2が不足すると、脂質の代謝や皮膚を健康に保つ機能が低下します。
また、細菌に対する抵抗力も低下するため、にきびができやすくなります。
ビタミンB6が不足すると、皮膚の代謝が衰えることにより、古い角質の除去も低下し、
毛穴が詰まってしまいます。
にきびの予防と治療−洗顔
にきびを予防するには、最低1日2回は洗顔をして皮膚を清潔に保つことが大切です。
石鹸や洗顔料を使用し、肌を優しくなでるようにして洗いましょう。ごしごし強くこすり洗いをしますと、
肌に刺激を与えてしまいますし、かさついた皮膚になってしまいます。
なお、ほこり、汗、古い角質は、ぬるま湯だけで落とすことが出来ます。
にきびの増加と消去
にきびは思春期になると、男性だけでなく女性も男性ホルモンが増加します。
皮脂を出す脂腺が急速に発達して皮脂の分泌が盛んになり、皮脂はべとつき、脂っぽい状態と
なります。その際、毛穴が角質によってふさがれ皮脂が詰まり、その中でにきび菌が活発化してしまう
事により、にきびは生成されます。
なお、にきびは年齢を重ねるごとに減少します。発達した脂腺が縮小し、皮脂の分泌量が
減るからです。
にきびを予防するために
にきびは日常生活も大きく関係します。
<日常生活で気をつける事>
●皮膚を清潔に保つ・・・・・ 1日2回は洗顔をして、毛穴をきれいにすることにより皮脂詰まりを
防止します。
●皮膚への刺激を避ける・・・髪が触れる/こすり洗いをしている/顔をよく触る等、
皮膚を刺激すると毛穴がふさがれてしまいます。
●睡眠をしっかり取る・・・・・睡眠不足の生活を続けると、皮膚がべたつき、毛穴に皮脂が
たまりやすくなります。
にきびの種類
にきびには、いくつかの種類があります。
●黒にきび・・・毛穴の中の角質や皮脂が黒ずんでいるもの。
外側から押すと、詰まった角質や皮脂が出てくる。
●白にきび・・・毛穴に詰まった角質や皮脂が、表皮から黄白く 盛り上がって出来る。
●赤にきび・・・黒にきび、白にきびが炎症を起こし、膿んだり、ただれたりする。
にきびの発生の違い
にきびの発生には、それぞれの環境や体質により個人差があります。
<にきび症状に違いが出る要因>
食生活/生活環境/生活様式/男性ホルモン増加の時期/スキンケアの方法/遺伝など
これらの違いで、にきびの発生時期や種類の差が出てきます。
にきびが出来る場所
にきびは、顔、背中、胸、頭などに出来ます。特に顔には皮脂を生成する脂腺が集中しているため、
とても出来やすくなっています。
顔におけるTゾーン、胸と背中におけるVゾーンは、「脂漏部位」といい、
うぶ毛が生えている・大きな脂腺が沢山集まっている、という特徴があります。
にきびの原因と過程
にきびは、毛穴の中に皮脂がつまり、にきび細菌が活発化することにより発生します。
<にきびが出来るまで>
【1】 10代になり男性ホルモンが増加
【2】皮脂を出す脂腺が活発化(肌がべたつくようになる)
【3】古い角質で毛穴がふさがれ、皮脂がたまる
【4】 にきび細菌が活発化することにより皮脂が分解されて炎症をおこす