2005年09月04日
へこんだ瘢痕(はんこん)
にきびが治った後、皮膚がへこんだ瘢痕を、「陥凹性瘢痕(かんおうせいはんこん)」と言います。
治療法としては、やすりで皮膚の表面を削る/へこみを切り取り縫い縮める/人口膠原線維を
注入する、などがあります。現在、口膠原線維による治療は、健康保険が使えない上、効果も長続き
しません。
●人口膠原線維(じんこうこうげんせんい)・・・膠原線維は皮膚の真皮成分の一つです。
人工的に作られた膠原線維を注入するとへこんだ部分が盛り上がります。
盛り上がった瘢痕(はんこん)
化膿したにきび跡で皮膚が盛り上がった瘢痕を、「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」と言います。
テープ剤やステロイドホルモン剤の塗り薬、注射を使用した治療、また手術で切り取ることもあります。
●テープ剤・・・粘着部に薬剤が含まれているテープです。ステロイドホルモン入りや魚の目用の
スピール剤が使用されます。
2005年09月03日
しみ取りの方法
しみを取るには、種類によって様々な方法があります。同時に紫外線を浴びない心がけも必要です。
●発疹後色素沈着・・・肌荒れが治った後、症状の再発/繰り返しを起こさなければ 自然に消えます。
●こすり色素沈着・・・洗い方は「なで洗い」に変え、「こすり洗い」はやめます。しみは自然消去します。
●肝斑・・・通常、出産後、次第に消えていきますが、紫外線防止は大切です。
●老人斑/脂漏性角化症/日光角化症・・・電気凝固療法/手術療法/液体窒素凍結療法 により
治療します。
2005年09月01日
口のまわりのしみ
食物、口紅、唾液などが原因で、皮膚のかぶれ、腫れ、かゆみの症状がでる「接触皮膚炎」と
呼ばれる症状があります。治った後に残るしみは、通常自然に消えますが、皮膚炎が再発し症状を
繰り返すとしみは取れなくなってしまいます。
治療法としては、紫外線防止、ビタミンC、SH製剤の摂取などがあります。
しみの治療法
しみの中でも、日光角化症、老人斑、脂漏性角化症は、治療が可能です。
●電気凝固療法・・・熱によりしみを焼き取る治療法。しみはすぐに消去されますが、火傷と同じ症状で
1週間程は痛みがあります。
●手術療法・・・・・・・メスでしみを切り取る治療法。切除したしみを検査することにより、 ガンかどうかの確認も可能です。
●液体窒素凍結療法・・・しみを凍結させる治療法。
しみは2週間ほどで、かさぶたとなって剥がれ落ちます。
●レーザー光線療法・・・レーザー熱でしみを分解する治療法。健康保険の使用は不可です。
しみと遺伝
しみには遺伝性のものがあります。しかし、いずれも日光に含まれる紫外線との関係が大きいので、
紫外線予防に注意することにより、しみの生成を防ぐことは可能です。
<遺伝性のあるしみ>
●日光角化症・・・紫外線の影響を受けやすい手の甲や顔に出来る皮膚腫瘍の一種。
●脂漏性角化症・・・皮膚の老化によりおきる皮膚腫瘍の一種。皮膚が盛り上がったり、しこりが
出来たりする。
ステロイドホルモン外用剤と副作用
ステロイドホルモン外用剤の副作用には、様々な皮膚症状が現れます。
何らかの皮膚の異常が現れた際には、なるべく早く医師に相談しましょう。
<ステロイドホルモン外用剤による副作用>
アレルギー性接触皮膚炎/にきび/緑内障/口囲皮膚炎/色素脱失/皮膚萎縮・皮膚線条/
創傷治癒遅滞/紫斑・血管拡張/多毛/汗疹・毛包炎
ぬり薬としみ
通常、ぬり薬が原因でしみになることは、考えにくいと言われています。しかし、炎症などの肌荒れに
より、表皮の色素細胞が活発化してメラニンが生成されると皮膚が黒ずんでしまいます。
また、肌荒れが続くとメラニンが真皮にまで生成されると、しみとなって残ってしまいます。
しみを消去するためには、肌荒れを早く治し、繰り返さないことが大切です。
内服薬としみ治療
「発疹後色素沈着」と「肝斑」は、内服薬を服用することにより、消去できる可能性はあります。
成分としてはビタミンCやSH製剤があり、過酸化脂質という有害な物質の生成を抑える効果が
あります。しかし、シミ治療としての効果は、現状では明確には判明していません。
【SH製剤】・・・SH酵素を保護する薬剤。真皮にたまったメラニンの処理を促進することにより、
しみの色素を薄くする。
内服薬としみの関係
内服薬はしみの原因となることがあります。
にきび治療に用いられる「ミノサイクリン」という抗生物質は、最近、しみの生成成分として注目されて
います。また、抗がん剤が原因で、しみや色素沈着が起こることがありますが、実例はわずかです。
内服薬の使用中、しみの発生が気になる場合は、医師に相談しましょう。
シミ取り化粧品
現在、生産・販売されているシミ取り化粧品は、完全にシミを消去する効果があるとは
言い切れません。
シミ取り化粧品の成分としては、ビタミンC、アルブチン、コウジ酸があります。
これらの成分はメラニン生成の抑制を助けると言われていますが、急速にシミが消去されることはなく、
シミ取り効果は明確には判明されていません。
2005年08月31日
しみの予防法
「紫外線を浴びないこと」が、全てのしみの最大の予防法です。
また、しみの種類により、それぞれの予防法もあります。
●発疹後色素沈着 ・・・肌荒れを治して、繰り返さないようにする
●肝斑 ・・・紫外線を浴びない
●日光角化症/老人斑/脂漏性角化症 ・・・紫外線を浴びない、子供の時の紫外線対策を心がける。
●こすり色素沈着 ・・・洗顔や入浴時に、ゴシゴシこすり洗いをしない。
日光角化症と皮膚ガン
日光角化症は早期ガンであるため、進行すると悪性度の高い皮膚がん(有棘細胞がん)に
移行します。また、有棘細胞ガンの23%は、日光角化症から進行したものであるという報告もあります。
全ての日光角化症が、有棘細胞ガンに発展したり、転移するわけではありません。
しかし、老人斑などのしみと見間違えることもあるので、気になるしみがある場合には皮膚科で
相談すると良いでしょう。
しみの種類−日光角化症
長い年月にわたり紫外線を浴びることにより生成される皮膚腫瘍です。紫外線が当たりやすい顔や
手の甲などに発生します。
最初、しみの様に見えていたものが、急に変色したり皮膚が盛り上がってきた場合には、なるべく早く
皮膚科で相談することが必要です。
しみの種類−発疹後色素沈着
ニキビ、発疹、肌荒れなど炎症が治ったあとにできるシミです。炎症が治るとシミは消えますが、
そのためには、肌荒れを繰り返さないようにすることが大切です。
いったん、発疹後色素沈着をおこした皮膚は過敏になっているため、肌荒れが繰り返されることが
よくあります。そのため、シミの消去には時間を要することもあります。
また、ホルモン剤入り外用剤の副作用と間違われる事があり、十分注意する必要があります。
しみの種類−こすり色素沈着
ナイロン性ブラシやタオルで、強くこすり洗いを続けると出来るしみです。
皮膚はこすられることにより、表皮や真皮にメラニンが生成され、肌が黒ずんでしまいます。
また、骨がすぐ下にある皮膚(おでこ、頬骨の箇所、鎖骨、肋骨)は、こすりすぎないよう
心がけるようにしましょう。
しみの種類−老人斑・脂漏性角化症
●老人斑・・・ほぼ円形で顔全体に見られる平らで茶色のしみです。
顔の他、手足、腕、すね等に出来やすく、紫外線の刺激を受けることによって、
より濃くなっていきます。
●脂漏性角化症・・・皮膚が盛り上がった状態になったり、しこりになったりする皮膚腫瘍の一種です。
脂漏性疣贅(しろうせいゆうぜい)とも言われます。
しみの種類−肝斑
頬、眼の下、鼻の上等に現れるしみです。
紫外線等の刺激により色素細胞が、活発化して、皮膚が黒くなります。
妊娠がすると顔に出てくる場合が多く、出産後は良くなります。また、妊娠とは関係なく成人女性に
多く見られます。
レモンパックについて
レモンパックによるシミ取り効果は、医学的、化学的には証明されていません。
ビタミンCは、摂取するとシミを薄くする効果がありますが、レモンパックによりシミが消去されることは
考えにくいとされています。
また、レモンに含まれるクエン酸には、漂白の効果がありますが、クエン酸の濃度が高いと、肌が
ひりひりしたり、赤くなり、しみが目立つ場合があります。
くすみについて
くすみとは、皮膚の透明感がなく、肌の血行がよくない黒ずんだ状態のことをいいます。
新陳代謝が活発な若いうちは、約1ヶ月ごとに新しい皮膚が生成され、古くなった皮膚は垢となって
はがれ落ちます。
しかしながら、加齢により皮膚が老化すると、新しい皮膚の生成までに時間がかかり、古い皮膚が厚く
なって残るため、皮膚の透明感が失われてしまうのです。
日焼け後の黒ずみ
紫外線を浴びると、色素細胞が生成するメラニンが増殖し、皮膚が黒くなります。
しみにならない様にするためには、サンスクリーン剤、帽子、日傘等で日焼けした肌を紫外線から
守ることが大切です。
紫外線を浴びなくなると、メラニンの量は減り、日焼け時に生成されたメラニンは垢と一緒に剥がれ
落ちます。
お化粧の時に肌をこすると・・
皮膚は、お化粧や洗顔時に、こすり続けると次第に黒ずみ、しみの原因になります。
表皮のメラニンが増加しただけのしみであれば、こする事をやめるとメラニンは垢となって
剥がれ落ちます。しかし、長期間にわたり皮膚をこすり続けていると、真皮にまでメラニンがたまり、
皮膚が茶色に変色してきます。
また、真皮のメラニンは体内にある大食細胞により消去されますが、色が消えるまでには、
とても長い時間がかかります。
洗顔としみの関係
ごしごしこする洗顔は、しみの原因となります。
特におでこや頬骨のあたりは、骨が皮膚のすぐ下にあるため、力を入れてこすりすぎない様に
気をつけましょう。また、フェースブラシやナイロン性タオルなどを使用すると色素沈着(しみ)が
できやすくなります。できるだけ、素手で泡をなでるように優しく洗う習慣をつけましょう。
しみ予防の栄養素
しみの予防には、「ビタミンC」と「レチン酸」が効果があります。
●ビタミンC・・・紫外線は、皮膚ガンの原因になりやすい活性酸素を発生させますが、この活性酸素を 消去するのがビタミンCです。脂漏性角化症、日光角化症、老人斑に効果があります。
●レチン酸・・・皮膚の老化予防、皮膚の若返りに効果がありますが、日本での販売はありません。
なお、しみ予防、ならびに健康で美しい皮膚を保つには、ビタミンCのみではなく、炭水化物、
たんぱく質、脂質等、バランスのある栄養素を取る必要があります。
しみの兆候
顔は、様々な環境により、しみが最も出来やすい箇所です。常に外気に触れているだけでなく、
紫外線、風、気温、湿度、また女性の場合は化粧により、多数のしみの原因にさられています。
以下の症状は、しみの兆候と判断されます。
●表面の変化・・・肌が盛り上がる、ざらつきがある
●色の変化 ・・・茶色、黒、赤っぽい色の斑点の発生
●感覚の変化・・・つっぱり感、かゆみ、ぴりぴりする
しみ予防のポイント
しみ予防のポイントは、何といっても「紫外線を浴びない事」です。
屋外に出る際には、サンスクリーン剤をこまめに塗り、日傘、帽子、長袖のシャツ、サングラス等の
利用が、しみ予防に大きく役立ちます。
また、子供の日光対策もとても重要になります。10代のうちに浴びる紫外線は、皮膚の老化に
一生影響するからです。
しみが出来る原因
しみが出来る最大の原因は日光に含まれる紫外線です。
浴びた紫外線量と比例して、しみの数は増えます。また、赤く日焼けしやすい皮膚はしみが
出来やすく、皮膚の色が黒い人はしみは少ない傾向があります。
しみは、紫外線の量と、皮膚の性質が影響するのです。