2005年09月12日
メイクアップ化粧品
メイクアップ化粧品の使い方は、基礎化粧品のように皮膚の健康へあまり大きな影響をもたらさない
ため、基本的には、それぞれ個人の自由に使用することができます。
自分の好みに合わせたお化粧方法で楽しみながらお化粧をすれば、精神的にも満たされることが
多いでしょう。
また、仕事やプライベート、時間帯などで、化粧方法を変えていく工夫を試みると良いでしょう。
昔から使われている化粧品
昔から使用されている自然素材の化粧品は、効果はあまり期待できなくても、安全性からみると
高いものが多くあります。しかし、自家製の化粧品は、使用している成分を確認して試しぬりにより、
肌の反応の確認は必要です。
<昔からの自家製化粧品>
●へちま水・・・へちまの茎からでる汁液で、肌をしっとりさせ、引き締め効果があります。
●ぬか袋・・・米ぬかを木綿の袋に入れたもの。皮膚にうるおいを与えます、洗浄効果もあります。
●髪洗い粉・・・小麦粉や、ふのりで作った洗髪料
●うぐいすの糞・・・皮膚を白くする漂白パック
医薬部外品について
医薬部外品は、薬事法で、医薬品と化粧品の中間に位置づけられ、製造過程では厳しい規制が
定められています。なお、販売に規制はありません。
また、薬用化粧品とは、医薬部外品の中でも化粧品として使われる製品のことをさします。
【薬用化粧品】薬用化粧水/乳液・クリーム/パック/サンスクリーン剤/薬用歯磨き/石鹸/
薬用シャンプー・リンス/染毛剤/薬用育毛・養毛剤/わきが防止剤など
「指定成分」記載の効果
「指定成分」記載の義務付けにより、化粧品による皮膚の障害を未然に防ぐことが可能になりました。
化粧品を使用してアレルギーが発生した時に、「指定成分」を参考にしながら、パッチテストなどで
具体的なアレルギーの原因成分を発見することができます。
また、すでにアレルゲン(アレルギーの原因になる物質)が分かっている場合には、化粧品を
購入する際、使用されている「指定成分」を確認し、同じアレルギー症状の発生を防止できます。
「指定成分」と「成分」の違い
化粧品に記載されている「指定成分」とは、皮膚トラブルの原因になる可能性がある成分です。
そのため、薬事法により「厚生大臣が指定した成分」は、化粧品の容器などへの記載が義務付けられて
います。
現在、「指定成分」として指定されている成分は、色素、防腐剤、殺菌剤、香料など
約100品目あります。
なお、「成分」は、化粧品の原料にあたります。
皮膚測定技術の現状
現在の皮膚測定技術には、pHに関する測定はありません。
<現在、実施されている皮膚測定技術>
●皮膚色測定/皮膚血流測定
●角層ターンオーバー時間測定
●角層バリア機能測定
●角層水分含有量測定
●皮膚深部形態測定/皮膚表面形態測定
●皮膚弾力測定
皮膚上のpH
皮膚の表面は、通常、やや酸性の状態で保持されています。外部からの刺激で、色々な酸性物質、
アルカリ性物質が加えられても、皮膚本来の働きで刺激を緩和し、やや酸性の状態に戻すのです。
しかし、外部からの影響で皮膚のpHは常に変化しているため、化粧品売り場に置いてある
pH測定値の結果は、化粧品を選ぶ上では、あまり参考になりません。
ビタミン入りの化粧品
ビタミン入りの化粧品は、効果や安全性で以下の内容をともなう必要があります。
1.皮膚に実際効果がある。
2.副作用が起こりにくく安全性が高い。
3.品質に安定性がある。
4.効果の詳細が明確である。
ビタミン成分の効果
ビタミン剤は、薬事法で特殊成分として、化粧品への使用を認められています。また、加工法の
工夫により皮膚からのビタミン吸収は可能になっています。
<加工方法によって皮膚からの吸収が可能なビタミン>
ビタミンA、E、C、B2、B6、パントテン酸(ビタミンB複合体の一種)
<脂溶性誘導体の開発により皮膚からの吸収が可能な水溶性ビタミン>
ビタミンB2、B6、C
自然の素材
化粧品品質基準で定められている自然の素材です。
【植物油】オリーブ油、ひまわり油、ごま油
【動物脂】たら肝油、ミンクオイル
【固形油脂】牛脂、やし油
【ろう】みつろう ※みつばちから取るろう
【植物性香料】ローズ油、サンダルウッド油、ペルーバルサム
【天然色素】べにばな、しそ、緑葉植物、にんじん、ビート、うに
自然素材の化粧品
自然の素材を使った化粧品は、化学成分を使用した化粧品よりも、安全性は高くなります。
しかし、自然素材の化粧品でも、厚生省の許可は必要ですし、使用できる素材に制限はあります。
アレルギー性接触皮膚炎などのトラブルが起こることもあります。
また、自然の素材で作った自家製化粧品は、使用している成分を確認して、必ず試しぬりをして
皮膚の反応を確かめましょう。
ワセリンについて
ワセリンは、医薬品軟膏の基剤として、多く活用されています。アレルギー反応はわずかに
ありますが、ほとんど問題なく使用することができます。
【基剤】・・・皮膚炎治療専用薬を溶かすための物質。使いやすさと様々な目的用途で使用されます。
クリーム、軟膏、ローション、ゲル剤など
鉱物油含有の化粧品
鉱物油は石油から作られる液状炭化水素の混合物で、パラフィン、ワセリン、セレシン、
マイクロクリスタリンワックスなどが、化粧品に使うことができます。
これらは、伸びがよく保湿効果があるため、クリームとして多く使用されます。
また、鉱物油の皮膚への悪影響はほとんどありません。鉱物油は皮膚に付着しますが、
吸収されないのが特徴です。
外国の化粧品
外国のおみやげとして、現地で購入した化粧品については、その安全性は保証されません。
化粧品に関する法規制が徹底している国もあれば、体制が整っていない国もあるからです。
そのため、使用する前に一度、自分で肌への反応を確認してみることが大切です。
腕の内側に少量をぬって、様子を見ます。ぬってすぐに反応がない場合には、同じ個所に1日2回の
塗布を3日間繰り返しましょう。この自己検査で、何も問題が発生しない事を確認して、本来の使い方を
始めます。
化粧品のそろえ方
市販されている様々な化粧品から、使用する製品を選ぶとき、1つの化粧品会社に買いそろえる
必要はありません。
日本で販売されるすべての化粧品が厚生省の許可を受けていて、薬事法と化粧品原料基準により、
すべての品質管理が徹底しているからです。
したがって、色々な異なる化粧品会社の化粧品を同時に使用しても、品質的なトラブルが起こることは
ありません。
化粧小物
皮膚のトラブル対策のために、いくつかの化粧品小物に、気を使う必要はあります。
特にパフやスポンジは使用しているうちに汚れてきますので、こまめに洗うようにしましょう。
汚れを放置しておくと汚染菌が入り込む可能性もあります。化粧品、化粧小物、また化粧をする手、
すべてにおいて、清潔さを保ち維持することが、化粧品品質保持のポイントの一つになります。
品質劣化対策
化粧品会社は、製品の品質劣化を防止するために具体的な対策と管理を行なっています。
<化粧品会社が実施している汚染菌対策>
●防腐剤を使用する
●汚染菌が入りにくい容器を開発する
●防腐剤を使用しない化粧品は、使用期限を短めに設定する
また、化粧品会社のみならず、使用者も正しい化粧品の使い方を十分理解し、実行することが
大切です。
化粧品の品質劣化
古くなった化粧品は、品質が落ちて本来の効果はなくなります。また、化粧品成分が変質して
有害な物質がつくられてしまう可能性もあります。特に微生物による汚染は、十分な注意が必要です。
<微生物汚染で懸念されること>
●感染性のある細菌が化粧品に混入することにより、使用者が病気になる。
●細菌による代謝産物などが、有害な作用をもつ。
●化粧品が細菌で腐敗する。
●細菌がつくりだす酵素で化粧品が変質する。
化粧品の品質維持
化粧品の品質低下の原因には、日光、保管温度、汚染があげられます。特に開封した化粧品は
冷暗所に置いて保管します。また、化粧品は清潔な手で使用し、一旦容器から出した化粧品は、
決して元に戻さない様にしましょう。
使用期限の切れた古い化粧品の使用や、別の容器への入れ替えも禁物です。
また、常に新しい製品を使用するため、化粧品の買いだめはせずに、その都度購入するように
しましょう。
化粧品と使用期限
化粧品は時間がたつと腐ります。そのため、薬事法では、使用期限の記載を義務付けている
化粧品がいくつかあります。
●製造、もしくは輸入後、適切な保存環境のもとでも、3年以内に品質変化をする可能性のある化粧品
●エステル、アスコルビン酸、それらの塩類、酵素が含まれる化粧品
また、薬事法では、化粧品の品質管理のため、化粧品の容器や外装に製造業者、輸入業者、
製造番号、化粧品名、指定成分などの記載も義務付けています。
老年期の乾燥対策
下記の方法をすべて実行するのが理想ですが、大変な場合には、少しでも多くの自分に合った
乾燥対策を習慣にできるようになると良いでしょう。
●垢こすりはしないで、常にやさしくなで洗いをする
●保湿クリームなどの保湿剤を使って、皮膚を乾燥から守る
●入浴回数を考慮し、また湯船(お湯は人肌くらいの温度)につからず、シャワーを中心とする
●冬季は素肌に冷たく乾いた空気を当てない
●冬季は、部屋の湿度を50%くらいに保ち、室温はあまり上げない。
加齢とスキンケア
<中年期、熟年期のスキンケア>
若い時のスキンケアや、日常の生活習慣で、肌の状態は個人差が見られるようになります。
また、年を重ねてからも、乾燥と紫外線の影響は受け続けますので、保湿対策、紫外線予防は
欠かすことのないように努める必要があります。
<老年期のスキンケア>
もっとも大事なことは、保湿剤を使用し皮膚を乾燥から守ることです。また、老年期は、皮膚そのものが
薄くなってきます。そのためには、乾燥予防がとても大切になってきます。
若い方の老化対策
肌のこすりすぎは乾燥の原因となります。入浴時はナイロン製のタオル等は使わずに、手でなで洗いを
しましょう。特に、腕やすねは乾燥しやすいので、洗う際は注意が必要です。
紫外線は当たれば当たるほど、皮膚の老化を進行させます。紫外線対策はこの時期から常に心がけ、
直射日光にあたる時は、必ずサンスクリーン剤を使う習慣をつけましょう。
若い方のスキンケア
思春期・青年期は、もっとも皮膚が健康で美しい時期ですが、生活習慣、月経などの影響を
受けやすい時期でもあります。
また、思春期に入ると、男性ホルモンの活発化と同時に、皮膚の脂腺の活動も盛んになり、
皮脂が大量に分泌されます。
そのため、脂腺が多く集まっている脂漏部位は、脂っぽさやべとつきが目立つようになるので、
念入りに、また、こまめに洗って、清潔感を保つように心がけましょう。
洗顔後の保湿
洗顔後は、化粧水や乳液で保湿のケアを行いましょう。洗顔後、30分くらい待ちますと、皮脂と汗で
お肌はしっとりとしてきます。その後、まだ皮膚のつっぱり感が残っていた場合は、その個所には丁寧に
水分、油分、保湿成分を補いましょう。
なお、長時間メイクアップをしたままですと、肌への負担は大きくなります。帰宅したらすぐにお化粧
落としをして、皮膚を休めることが大事です。
クレンジングの種類
クレンジングには、いくつか種類がありますが、オイルタイプは肌への刺激が強すぎます。
クリームタイプか乳液タイプのクレンジングであれば、肌への刺激も少なくすみます。また、
クレンジングと洗顔が同時にできる洗顔料もありますが、基本的には洗顔は、
「@化粧落とし→A洗顔」と、ダブル洗顔が効果的です。
化粧落とし
メイクアップのお化粧は、帰宅したらなるべく早く落とすように心がけましょう。洗浄料としては、
クレンジングクリームが効果的です。
まずは、クリームを顔の上にのせ化粧品となじませ、化粧品の油分を浮かします。ぬるま湯で
洗い流した後は、通常の洗顔料で再度洗います。
かぶれの症状‐アレルギー性
普段から使用していた化粧品で、何の前兆もなく突然かぶれがあらわれます。
アレルギー性接触皮膚炎とよばれる、このかぶれは、特定の人に症状が見られ、同じ化粧品でも
全く問題のない人もいます。
症状としては、皮膚が赤くはれ上がり、水疱(みずぶくれ)ができます。また、痛みやかゆみも
あります。治る時は、かさつきや、しみになる事もあります。
かぶれの症状‐刺激性
化粧品をつけて、すぐにかぶれの反応がでる炎症を刺激性接触皮膚炎といいます。
これは誰にでも起こりうるアレルギーです。
●刺激性接触皮膚炎の症状・・・ひりひりする/皮膚が赤くなる/患部が熱を帯びる/ぴりぴりする
表面がかさつく/しみになる/(悪化すると)痛みやかゆみが出てくる
原因としては、化粧品が肌に合わない、もしくは使用方法を間違えている場合があります。また、
洗顔時に強くこすりすぎたり、アルコールが含まれた化粧品を使用した時などに、肌荒れが発生します。
かぶれの処置
かぶれが発生したら、すぐに患部を冷やしましょう。また、入浴では石鹸でやさしくなで洗いをして
ぬるま湯で洗い流します。体温が上がると、かゆみが増すので、湯船につかることは控えてください。
また、皮膚病の可能性もありますので、医師に相談してみたり、かぶれの原因を調べるために
パッチテストを受けてみましょう。
かゆみやただれの処置
かゆみやただれが起きたら、なるべく早く皮膚科へ行きましょう。皮膚科では、症状に合わせて
塗り薬や飲み薬を処方します。症状が重い場合には、ステロイドホルモンの飲み薬を処方することも
あります。
【炎症を抑制する効果がある薬】
ステロイドホルモン入りの塗り薬、抗アレルギー剤の飲み薬、
【かゆみを抑制する効果がある薬】
抗ヒスタミン剤入りの飲み薬
皮膚に異常が発生した時は
使用しているすべての化粧品を使わないようにします。今まで問題なく使用していても、
アレルギー性のかぶれは、突然発生します。
また、他の化粧品に変えたとしても、かぶれの原因になった成分が含まれていた場合は、同じように
アレルギー反応を繰り返します。そのため、パッチテストを受けて、自分に合わない化粧品成分を
見つけておくと良いでしょう。
アレルギーになりやすい化粧品
下記化粧品は、パッチテストで陽性反応がよくみられる化粧品です。
●洗顔料/化粧水/乳液・クリーム
●ファンデーション
●香水
●洗髪用化粧品/染毛剤/頭髪用化粧品/パーマ専用剤
●歯磨き類
医療機関で行なうパッチテスト
医療機関で行なうパッチテストは、密封貼付試験(クローズド・パッチテスト)とよばれます。
フィンチャンバーという直径1cmのアルミ皿に化粧品を入れて、48時間、背中に貼り付けた状態に
します。そして、48時間経過してアルミ皿を取り除いてから30分後と、その翌日に、あらためて皮膚の
様子をみます。
また、紫外線による反応を検査する日光照射パッチテストというテストもあります。これは、同じく
48時間経過した皮膚に、紫外線を当ててアレルギー反応の有無を確認します。
自分で行なうパッチテスト
自分で確認するパッチテストは、開放貼付試験(オープン・パッチテスト)とよばれます。
使用する予定の化粧品を、3日間、腕の内側に1日2回塗ります。3日目で皮膚に何も異常が
現れなければ、検査した化粧品は問題なく使用することができます。
また、皮膚にぬってすぐに、かぶれが起きた場合には、すぐにその化粧品の使用はやめましょう。
化粧品成分とパッチテスト
パッチテストは、アレルギー性接触皮膚炎の原因を見つけ出す検査方法で、医療機関で受けることが
できます。
アレルギー性接触皮膚炎は、皮膚がすぐに反応する刺激性接触皮膚炎とは異なり、化粧品の成分に
対して皮膚がかぶれを起こすまで、時間を要します。
そのため、検査する試薬や化粧品成分を皮膚に48時間接触させてアレルギー反応が出るかどうかを
検査します。
自分の肌に合う化粧品−アレルギー性
長い間、問題なく使用していた化粧品でも、突然肌荒れが起きることがあります。
この症状の場合は、アレルギー性接触皮膚炎であることが多くありますが、皮膚病の可能性も
考えられますので、なるべく早く皮膚科医に相談すると良いでしょう。
また、パッチテストでアレルギーを起こす成分を見つけておけば、今後のアレルギー対策や化粧品を
選ぶ上で役にたちます。
自分の肌に合う化粧品−刺激性
化粧品が肌に合うかどうかは、まず、使用方法を良く読んでから試してみましょう。
正しい使い方をしているにもかかわらず、化粧品をつけてみて、すぐに肌がぴりぴりしたり、
赤くなったり、かゆみが発生した場合は、すぐに使用はやめましょう。
この様な刺激性のある反応が見られる化粧品は自分の肌に合っていないということになります。
化粧品の選び方
自分に合った化粧品を選ぶ上で大切なことは、「自分の肌に合うかどうか」を調べることです。
これは実際に使用してみないと分からないので、自分に合う化粧品を見つけるまでは時間がかかる事も
あります。
また、もう1つの自分に合う化粧品は、「自分に合ったお化粧方法」です。見た目としてのお化粧は、
顔色や顔立ちなどを自分で作り上げることができます。化粧品売り場や雑誌などの書籍で、自分なりに
色々と試してみると良いでしょう。
メイクアップ化粧品の目的
メイクアップとしてのお化粧の目的は、ファッション性や、お肌の悩みを改善する目的、また逆に、
皮膚や顔の長所を強調すること、仕事における必要性、またメイクすることにより得られる精神的な
満足感など、スキンケアとしてのお化粧と比べると、その使用用途は幅広くなります。
また、メイクアップ方法は、常に雑誌などで取り上げられているので、自分の好きな方法を見つけて
いくと良いでしょう。
健康な皮膚に必要な化粧品
日常生活におけるスキンケアで大切なことは、以下の3点です。
●紫外線を浴びない
●皮膚を常に清潔な状態に保つ
●皮膚の水分を保持するために、油分と保湿成分を補う
このスキンケアを実行するために必要な化粧品は、サンスクリーン剤(紫外線防止)、洗顔料などの
洗浄剤(洗浄目的)、化粧水、乳液、クリーム(保湿目的)となります。
垢について
垢は、新陳代謝によりつくられた古い皮膚のことで、必要でなくなると自然にはがれ落ちます。
また、垢は肌の水分が蒸発しないよう保湿する働きのある皮膚に必要な成分です。
そのため、皮膚がかさついて白っぽくなっても、決してこすり落としてはいけません。これは顔の皮膚に
限らず、からだ全体にいえることですので、ナイロンタオルやスポンジなどで、垢こすりなどはしないように
注意しましょう。
お化粧と洗顔の関係
どんなお化粧でも、最初は洗顔から始まります。清潔な皮膚への化粧であれば、効用も見た目も
大きな効果を得られます。
顔の汚れには、皮脂、ごみやほこり、垢、汗、化粧品があります。そのうち、ごみやほこり、垢、汗は
洗顔料を使わなくても、水やぬるま湯だけで洗い落とせます。皮脂と化粧品は、脂成分のため、
洗浄料で汚れをおとします。
また、洗顔で大切なことは、決して顔をごしごし強くこすらないことです。
乾燥パックの使用目的
乾燥パックは、皮膚の保湿効果や血行促進、またはがす際には、洗浄作用があります。
ゼリー状、ペースト状、粉末状などのタイプがあり、顔に適量を伸ばし乾燥するまでしばらく待ちます。
@パックの開始: 角質層に水分が補給され、皮膚が柔らかくなります。
Aパックの乾燥: 乾燥時には、皮膚に適度な緊張が与えられ、乾燥後は皮膚温が上がり、
血行促進の効果があります。
Bパック除去: 皮膚上の汚れや古い角質を取り除きます。
クリームの使用目的
使用される油脂の分量により、無油型/O/W(oil in water)/W/O(water in oil)/油型と
4つのタイプに分けられます。また、色々な使用目的に応じていくつかの種類があります。
<クリームの使用目的と効果>
●皮膚の洗浄、化粧落とし
●皮膚の保湿、血行促進、柔軟
●化粧下地
●紫外線防止、脱毛、ひげそり、整髪
乳液の使用目的
乳液は、含まれる油脂の量が少なく液状のため、皮膚によく伸びなじみます。一般的には保湿を
目的として使用されます。美白効果などの美容液も乳液タイプのものが多くあります。
<乳液の使用目的と効果>
●皮膚の保湿、血行促進、柔軟
●皮膚の洗浄、化粧落とし
化粧水の使用目的
化粧水は、通常、透明な液体です。洗顔後、皮膚の角質層に保湿成分や水分を補う目的で
使用します。
●収れん性化粧水・・・余分な皮脂の分泌を抑制するので、肌のてかりや、べとつきを減らします。
●柔軟性化粧水・・・皮膚をやわらかく、しっとりさせます。
●洗浄用化粧水・・・皮膚を洗浄する働きがあり、化粧落としの作用もあります。
洗浄用化粧料の使用目的
洗浄用化粧料は、顔の汚れ、特に皮脂を落とすのに役立ちます。固形、液体、ジェル、クリーム、
ペースト、粉末など、様々なタイプの洗浄料があります。
通常は、水で溶かしてよく泡立て、手でなで洗いをして汚れを落とします。また、水温や洗い方で、
洗浄効果に大きな差が生じます。
化粧品の種類
「化粧品」とひとくちに言っても、その用途や種類は様々で、いくつかの種類に大きく分けられます。
【基礎化粧品】洗浄料/化粧水/乳液/クリーム/パック等
【メイクアップ化粧品】ファンデーション/パウダー/口紅/マスカラ/アイシャドー/マニキュア等
【口腔衛生用品】歯磨き粉/口腔洗浄剤等
【頭髪用化粧品】シャンプー/リンス/コンディショナー等
化粧品の光毒性
化粧品を塗った皮膚に、紫外線があたると肌荒れがおきることを、化粧品の光毒性といいます。
また、紫外線と関連性のある肌荒れには2つのタイプがあります。
【日光アレルギー性接触皮膚炎】
化粧品のついた皮膚が紫外線を浴びるとアレルギー性接触皮膚炎が起こります。
【光毒性接触皮膚炎】
化粧品の使用が原因となって、肌が日焼けしやすくなります。
化粧品かぶれ
一度、かぶれが起きた化粧品は絶対に使わないようにしましょう。
特に、アレルギー性接触皮膚炎の場合、皮膚はアレルギーを起こした成分を一生記憶します。
そのため、その成分を使用すると同じアレルギーを何度も起こします。
したがって、他のメーカーの化粧品に変えたとしても、同じ成分が含まれていれば、皮膚はかぶれや
アレルギーを起こすのです。
化粧品と皮膚のトラブル
化粧品の使用により発生するトラブルは、2種類の要因があります。
1.化粧品の問題:皮膚を刺激する成分が含まれていたり、アレルギー反応が出たり品質が悪い場合
2.使用者の問題: 使用方法や注意事項など使用説明書を良く読まずに、誤った使い方をした場合
なお、基本的に化粧品は、健康な肌に使用するものですので、肌荒れがある時は、化粧品の使用は
控えた方が良いでしょう。
化粧品と皮膚の関係
化粧品は、使用目的やそれぞれ個人の皮膚の状態により、良くも悪くも作用します。
例えば、皮膚の老化の最大の原因は日光に含まれる紫外線と乾燥ですが、サンスクリーン剤と
保湿剤を使うことにより、皮膚の老化を防ぐことができます。
また、化粧品の成分や肌の状態により、皮膚の炎症など様々なトラブルを起こすこともあります。
高額な化粧品と信頼性
化粧品は不純物が少ないと、肌への負担は少なく、また値段は高額になります。しかし、必ずしも
「金額の高い化粧品=不純物が少ない」と断定することはできかねます。
また、化粧品会社は化粧品の材料費も製造費用も公開していないため、値段で化粧品品質の
良し悪しを決めることはできませんし、値段と比例して、化粧品の信頼度が高くなるということも
断言できません。
化粧品に使われる原料
日本では、化粧品を製造する際、化粧品原料基準収載品・それに準ずるものが使用されます。
また、新しい原料を使用する場合には、様々な厳しい条件や試験をクリアする必要があります。
<新しい原料を使用するまでの過程>
1.官公立の試験所や大学病院で、アレルギー、経皮急性毒性、経口急性毒性、パッチテスト、
光毒性などに関する試験が行なわれる。
2.試験結果と、その原料が配合された製品の臨床データをもとに使用許可を申請する。
3.安全性が確認されれば、新原料の使用許可がおりる。
日本における化粧品の基準や規定
日本では、輸入品も含め、すべての化粧品の製造から販売にいたるまで、薬事法に基づき
厚生大臣の承認・許可を受ける必要があります。
また、厚生大臣と中央薬事審議会により、化粧品の品質、性能、性状などに関する品質基準が
設けられています。さらに、化粧品原料基準の規定、ならびに特殊成分や配合禁止成分の使用も
規制されています。
2005年09月11日
必要な化粧品
数ある化粧品の中では、日常生活で欠かせない化粧品もあります。
<日常生活で必要な化粧品>
●石鹸やシャンプーなど身体を清潔に保つための洗浄料
●保湿剤・サンスクリーン剤など、皮膚の老化や病気を予防するための化粧品
その他の化粧品は、ファッション性や、肌の悩みを解消するための手段など、それぞれ個人の目的に
応じて必要度は変わってきます。
化粧品の選び方
化粧品は、次々と新しい商品が開発され、また流行や季節にともなう新商品も製造されますが、
自分にとって良い化粧品は、皮膚への影響、使いやすさ、色や肌ざわり、香り、またはデザインなど
それぞれの好みに応じて、探していくと良いでしょう。
また、化粧品売り場の販売員と相談し、良いアドバイスや情報を聞きながら選んでいくことも、
化粧品選びのひとつの手段といえるでしょう。
値段の違い
市販されているすべての化粧品は、製造から販売にいたるまで、薬事法によって細かく規制されて
います。また、消費者団体によって品質検査も行なわれているため、化粧品の品質に大きな違いや差は
あまりないのが実情です。
そのため、高い化粧品が必ずしも特別品質が良いということはありませんし、皮膚に合わなければ
どんなに高価なものでも、肌にとっては良い化粧品にはなりません。
良い化粧品の条件
現在市販されている化粧品は、様々な種類があります。初めて化粧品を購入する場合や、どの商品を
選ぶべきか判断できない場合には、次の条件を参考にしてみましょう。そして、少しずつ自分に合った
化粧品を見つけていくと良いでしょう。
●使用感のよさ・・・肌さわりや見た目で気に入ったものを選びましょう。
●安全性・・・皮膚への刺激性などを確認します。
●簡単な使用方法・・・使用方法を見ながら、手軽なものを見つけましょう。
●値段・・・高価なものがすべて良い商品とは限りません。
アメリカのFDA(食品医薬品局)
アメリカのFDA(食品医薬品局)では、医薬品や化粧品の分類方法や考え方が日本とは異なります。
アメリカにおける化粧品は、洗浄・美化などを目的としたものに限定され、さらに、生理学的な効果が
あることは禁じられています。
また、医薬品については、皮膚のしくみ、もしくは機能に変化と影響をあたえるすべてのものを
医薬品として扱われます。
薬事法における化粧の定義
薬事法では、化粧品に関して以下のようにうたっています。
「化粧品の定義:この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、
又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これに類似する方法で
使用されることを目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう」
化粧品・医薬品の分類
化粧品は、基礎化粧品(石鹸や化粧水など)と、メイクアップ化粧品(口紅やファンデーションなど)に
分類されます。
また、薬用歯磨き、薬用化粧品、染毛剤などは、医薬部外品に分類されます。
これは、薬事法で「人体に対する作用が緩和なもので、疾病の防止などに用いられるもの」として、
医薬品や化粧品とは、分けているからです。
化粧品とは
化粧品は、薬事法に基づき厚生省の許可がないと製造・販売はできない商品です。
薬事法とは、医薬品が人体へ悪影響を及ぼすことを防ぎ、また安全性・有効性の確保を目的として
作られた法律です。
化粧品を含め、医薬品、医薬部外品、医療器具は、多くの人々が様々な目的で使用し、また、
人体へ直接作用するため、法律に基づいた製造が必要になります。
医師による永久脱毛
病院などで、医師による永久脱毛の治療は、電気を使った方法です。
1. 特殊な作りの細い脱毛針(注射)を毛穴にさします。
2. 毛穴から電気を流し、毛を生成する毛包、また毛包内部になる毛乳頭を破壊します。
脱毛針は注射と同じく、医療行為の扱いになるため、医師の管理ならびに指導が
必要になってきます。
国内の脱毛医療機関
病院での永久脱毛の治療は可能です。しかし、現状では治療が可能な施設は少なく、健康保険は
使えません。
現在、脱毛治療や研究をしている医療機関は、全国に約700施設あり、300人の脱毛師がいます。
治療費や治療方法は、それぞれ個人差があるので、十分な話し合いの上で治療を受けるように
しましょう。
詳細については、日本医学脱毛境界事務局本部(0587-53-0787)へ問い合わせるとよいでしょう。
毛抜きの注意点
毛抜きを使って脱毛する時は、斜めに生えている体毛の流れに沿って抜きましょう。
また、シャワーを浴びた後など、肌だが清潔な時に抜くよう心がけましょう。
毛を抜いた後の皮膚はとても敏感になっているので、毛穴の状態が落ち着くまでは、肌に刺激を
与えないようにしましょう。特に、湯船に入る、スポーツなどで汗をかく、ナイロンストッキングをはくなどは
避けるようにしましょう。
毛抜きと皮膚のただれ
毛抜きを使った脱毛は、無理に毛を抜くと毛穴に炎症がおこり、皮膚がただれてしまうことがあります。
そのため、あとが残ることがありますので、注意が必要です。
毛穴の炎症には、毛穴に細菌が入り込み化膿する場合、また、無理な脱毛による刺激が原因で
おこる場合とあります。
症状は、皮膚が赤くなったあとにしみができます。しかし繰り返さなければ、しみは少しずつ
消えていきます。
脱毛ワックスの効果
脱毛ワックスは毛を抜く脱毛法です。しかし、これは永久脱毛ではないため、皮膚の内部にある毛を
生成する毛包や毛乳頭は、破壊されずに残っています。脱毛ワックスの使用後、一時的に毛の本数は
減りますが、しばらくするとまた体毛は生えてきます。
そのため、脱毛ワックスを使い続けても、根本的に体毛の数が減るということはありません。
脱毛クリームの注意点
体毛と皮膚の成分は似ているため、体毛の成分を破壊する脱毛クリームは、皮膚のトラブルも
起こしやすくします。
<脱毛クリームで起きる症状>
皮膚が赤くなる/痛みが生じる/皮膚がぴりぴりする
このようなトラブルを避けるために、使用方法をよく読み、必ず試し塗りをしてから使うように
心がけましょう。
脱毛クリームの作用
脱毛クリームの成分は、アルカリ性薬剤が使われています。この薬剤は、毛の成分を化学的に
分解することにより、毛を折れやすくする働きがあります。
脱毛クリームは、皮膚の表面の毛が生えている部分にのみ効果があり、皮膚の内部で毛を
作り出している毛包や、毛包の内部にある毛乳頭を破壊することはありません。
そのため、毛はまた生えてきます。なお、脱毛クリームによって、体毛の数が減るということは
ありません。
脱色剤試し塗りの方法
1.一部の皮膚へ試しぬりをして、肌への刺激や脱色効果を検査します。
2.ぬっておく時間は、15分から30分を目安とします。
3.30分以内にぴりぴりとした痛みを感じたり、肌が赤くなる場合には、
薬品をぬる時間を短くします。 ※皮膚に異常があったら、すぐに洗いします。
4.終了したら十分に洗い流します。
脱色剤を使う前に
脱色剤は、刺激が強い場合がありますので、使用する前に肌の反応を確認する必要があります。
脱色剤をぬっておく時間など、使用方法はよく読みましょう。
脱色効果があまり見られない場合は、脱色剤をを長時間皮膚につけておくのではなく、短い時間で
何度か繰り返しながら使うようにしてください。
脱色剤の作用
脱色剤は、毛の色を黒くしている色素細胞であるメラニンを酸化して分解します。そうする事により、
毛の黒い色を抜いていきます。
一般的に、脱色剤の成分は、オキシフルなどのアルカリ性過酸化水素水が使われます。自分で
オキシフルを調節する事も可能ですが、市販されている製品を使うほうが無難でしょう。
わき毛のケア
わき毛は、安全かみそりや電気かみそりで剃り落とすのが一般的な方法です。この方法は最も
手っ取り早く、また安全に処理できます。
なお、日本では、女性がわきの毛を剃ったり抜いたりすることは当然のように考えられていますが、
わき毛の処理は、各国の習慣や様々な人々によって感覚はまちまちです。剃ることが一般的な国も
ありますし、中には生えた状態のままでいる女性もいるようです。
剃毛と体毛の数
かみそりで体毛を剃った場合、体毛が増えて多毛になることはありません。毛を作り出す毛包の数は、
生まれてくる時にすでに決まっていて、その後、増えることはないからです。
この事は、男性のひげではっきりと証明されます。毎日長い間ひげを剃っている人が皆、ひげが
増えて濃くなっている、ということはありません。
剃毛と毛深さ
かみそりで体毛を剃っても、毛が濃くなることはありません。通常、体毛は根元から毛先に沿って
細くなっていきますが、毛を剃ることにより、根元の太い状態で毛が伸びるため、毛深くなったように
見えます。
このような毛もいずれは抜け落ち、また新しい毛が生えてきます。新しい体毛は毛先が細くなって
いるので、心配はありません。
刃で肌を痛めないためには
かみそりで剃った後、よく皮膚がひりひりして赤くなってしまうことがあります。
かみそりまけと言われることもありますが、剃り方を少し気をつけるだけで、このようなトラブルを
回避することができます。
【深ぞりに気をつけましょう】
少しでも毛が見えないように、という思いから、剃った後の毛の根元を気にして、刃を必要以上に
強く当てたり同じ個所を何度も剃ってしまうと、皮膚に刺激を与え、傷つけてしまいます。
かみそりの注意点
かみそりの刃の切れ具合は、皮膚へ与える影響と大きく関わりがあります。
【切れるかみそりを使いましょう】
かみそりは使用しているうちに、刃の切れが悪くなります。切れないかみそりで毛を剃ると、
同じ個所を何度をこすってしまったり、刃を皮膚に強くこすり付けることになり、結果として皮膚を
痛めてしまいます。常によく切れるかみそりを使うように心がけましょう。
毛の剃り方
かみそりで毛を剃るには、ルールがあります。
【毛の方向に沿って剃りましょう】
体毛は、毛の根元から毛先に向かって寝ている状態で生えています。かみそりで剃る時、
毛の向きと反対方向に刃を動かすと、毛の流れに逆らうため、皮膚を傷つけてしまいます。
必ず毛の流れと同じ方向(毛の根元 → 毛先)で、剃るようにしましょう。
かみそりの使い方
かみそりを使って毛を剃る時、正しい方法で行なわないと、肌へのトラブルを起こすことがあります。
【刃のすべりを良くしましょう。】
毛をそる個所は必ず石鹸やシェービングフォームをぬってから、剃り始めましょう。何もつけずに
剃ってしまうと、刃が皮膚に直接当たり、すべりが悪くなるため皮膚をこすってしまいます。
石鹸やシェービングフォームがお肌に合わないのであれば、オリーブ油、コールドクリーム、ワセリン
などで、皮膚をこすらない工夫をしてみてください。
除毛法‐脱毛
【脱毛針脱毛】
永久脱毛のことを言います。毛包の組織を熱で破壊し、毛が生成されないようにする方法です。
医師及び医師の指導を受けた専門家でないと難しく危険な処理方法です。
永久脱毛であるため、効果は長続きする場合もありますが、また、再び毛が生えてくる場合も
あります。
通常、治療費はかなりの高額です。
除毛法‐脱色・脱毛
【脱色】
脱色剤を使用して、毛の色素を分解して、色をうすくする方法です。また、脱色剤が原因となって、
毛は痛み折れやすくなります。
【脱毛】
脱毛クリームを使用して、毛を折れやすくする方法です。脱毛する個所の皮膚全体にクリームを
ぬるため、皮膚がクリームに反応してトラブルがおきることもあります。
除毛法‐剃毛・抜毛
【剃毛】
かみそりや電気かみそりで、気になる体毛を剃り落とす方法です。すね毛やわき毛の処理に
効果的です。なお、かみそりで剃っても体毛が濃くなることはありません。
【抜毛】
電気脱毛器やワックスなどを使用して、毛を引き抜く方法です。痛みが生じたり、抜いた部分が
化膿することもあります。
体毛・多毛の個人差
特に病的な原因やホルモンの異常のない健康なからだでも、女性にひげが生えたり、胸毛や腕、
足の濃い体毛が生えて目立つことがあります。男性でも、体毛の太さや分布はそれぞれ個人差があり、
すね毛などが全く生えていない人もいれば、からだ中の体毛が太くて濃い人もいます。
残念ながら、現時点では、個人差の生じる原因は判明されていません。
多毛とホルモンの病気
女性のからだに、男性特有の太くて硬い毛が生える病気はいくつかあります。すべてホルモンに関係
しており、男性ホルモンの分泌量が増えたり、男性ホルモンに過剰に反応することがあります。
<多毛の原因となる病気>
クッシング症候群/先天性副腎皮質過形成症/先端巨大症/多嚢胞性卵巣症候群など
病的な多毛
通常、健康状態に問題のない多毛と、病気が原因でおこる多毛の違いの見分け方は、難しいと
言われています。しかし、時には、皮膚病やホルモンの病気が関係することもあるので、以下の症状が
見られた場合には、医師に相談しましょう。
●通常よりもかなり早い時期に、子供のわき毛や陰毛が見られた時
●からだの特定個所にのみ、発毛がある時
●女性の体に、男性特有の体毛が生じた時
体毛の数
体毛は、毛包といわれる毛を作る組織から生成されます。また、毛包の数は生まれた時にすでに
決まっていて、生まれた後に増えるという事はありません。ですから、多毛とは、体毛の本数が増加する
のではなく、毛の太さや長さで見た目の違いが生じるのです。
体毛の濃さや全身における分布数は、性別、遺伝、年齢、人種、妊娠などで、個人差に大きな開きが
あります。
体毛の悩み
現代において、体毛に関する女性の悩みはとても深刻化しています。
常に雑誌やメディアでは「完全脱毛」、「ムダ毛処理」といった言葉が氾濫しており、毛のないつるつるの
お肌=美しい肌というような表現が定着しつつあります。
そのため、様々な体毛処理方法が開発され、しかし、時には皮膚に多大な障害をもたらす事があり、
また、治療費用は高額です。
自分で確認するには
自分で行なうパッチテストは、現物パッチテストによる開放法です。使用予定の製品を腕の内側に
薄くぬって様子をみます。多くの量をつける必要はありません。
ぬった後、すぐにかぶれや、その他何らかの皮膚の異常が見られた場合は、その製品の使用は
やめましょう。また、アレルギー性接触皮膚炎の確認も必要ですので、ぬった後3日くらいまでは様子を
見る必要があります。
パッチテストの方法
パッチテストはいくつかの方法があります。
●成分パッチテスト・・・白髪染めに使用されているすべての成分をそれぞれ確認していきます。
●現物パッチテスト・・・白髪染めの製品そのものを、そのまま使って確認します。
検査方法は、2種類あります。結果が出るまで最低3日を要します。
●開放法・・・検査する成分を皮膚につけたままにしておく方法
●閉鎖法・・・検査する成分を皮膚につけ、その部分を密閉する方法
パッチテスト
白髪染めの使用が可能かどうかは、パッチテストで確認できます。特に医療機関にて、
成分パッチテストを受ければ、自分に合わない成分を見つけることができ、白髪染めを上手に
選ぶべるようになります。
特にかぶれを起こしやすい成分は、パラフェニレンジアミンです。これは、髪を黒く染める染料です。
また、パッチテストは自分で行うこともできる検査です。
白髪染めとかぶれの症状
かぶれには、様々な症状があります。症状がひどかったり心配な時は、早めに医師に相談しましょう。
<かぶれの種類>
頭皮が赤くなる(紅斑)/ひりひりする/水ぶくれになる/かゆみ/ただれ(びらん)/
ぶつぶつになる(丘疹)/かさつき/かさぶた
かぶれが治った後は、しばらくしみ残りますが、徐々に消えていきます。
白髪染めのトラブル
白髪染めが原因でおきる皮膚のトラブルは、かぶれや皮膚の炎症です。以前、白髪染めでかぶれた
ことがあっても、かぶれの原因になる成分が含まれていない製品であれば、使用は可能です。
<2つの接触皮膚炎>
●アレルギー性接触皮膚炎・・・通常、白髪染めを使用した後、2日前後で発生します。
●刺激性接触皮膚炎・・・使用してすぐにかぶれの症状が発生しますが、通常、使用方法を
きちんと守れば、かぶれることはありません。
カラーリンスの効用
簡単な白髪染めの方法に、カラーリンスの使用があげられます。これは、毎日使用することが
できるので、染毛剤のように伸びてきた部分が目立つことはありません。
染める方法は、リンスと同じで髪を洗った後に使うことにより、毛の表面に色素が着色されます。
しかし、濃く染めることはできません。
白髪染めの種類
白髪染めは、脱色剤と同じように染毛剤の一種です。また、染毛剤は2つのタイプに分けられます。
●医薬部外品・・・髪の内部まで染めるので、永久染毛剤と言われ、洗髪しても色落ちしません。
●化粧品・・・髪の表面のみの着色で毎回洗い流すことができます。染毛料とも呼ばれます。
一般的に使用されるのは、医薬部外品の酸化染毛剤で、毛の内部に色素を生成する成分を
染み込ませる方法で、髪染めは行なわれています。
加齢とヘアケア
年を重ねてゆくと、髪のつややなめらかさがなくなったり、枝毛が増えたりします。健康で美しい髪を
維持していくには、キューティクルのケアに重点をおきましょう。
髪を痛める原因を理解した上で、お手入れを継続していけば、髪の健康は保たれます。
<キューティクルを痛める原因>
染毛剤/ドライヤー/パーマ液/日光/洗髪/漂白剤/プールの塩素/偏った食事など
ふけと皮膚病
皮膚病が原因で発生するふけは、医師による治療が必要です。皮膚病はどうかは、地肌の状態を
見て確認してみましょう。
<皮膚炎の可能性がある症状>
頭皮の表面がざらざらしている/触るとかゆみを感じる/地肌が赤みを帯びている
<皮膚炎の種類>
接触皮膚炎/尋常性乾癬/脂漏性皮膚炎
ふけ取りシャンプーの成分
ふけ取りシャンプーには、ふけの症状をひどくさせる微生物の活動を抑制する成分、静菌作用を
もつ成分などが使用されています。
<主なふけ取りシャンプーの成分>
セレニウム化合物、イオウ、ジンクピリチオン、サリチル酸、タール分など
ふけ取りシャンプー
ふけが沢山出てしまう場合には、ふけ防止専用のシャンプーを使うと効果的です。しかし、シャンプーに
よっては、皮膚が刺激されて痛みが生じる場合もあるので、使用方法は必ずよく読みましょう。
効果的な使い方は、洗髪の後、すすぐ前に、シャンプーを頭皮につけた状態にしてしばらく待つことが
ポイントです。待ち時間は5分を目安にしましょう。
ふけのお手入れ
ふけは、正しい方法で洗髪をしていれば十分改善されます。
【正しい洗髪方法】
@ぬるま湯で髪をぬらす → Aシャンプーを手で泡立ててから髪を洗う/地肌は爪を立てずに
指の腹で洗う → B十分にすすぐ → Cタオル髪に当てて水分を吸収する
ふけのケアで最も重要なことは、ブラシや爪などで、ふけを落とさない事です。ふけ落としは頭皮を
傷つけ、さらにふけの発生を増やす結果となります。
2005年09月10日
ふけの問題
ふけは、表皮の一部である角質でできています。これは、表皮が新陳代謝により皮膚の表面に出てき
たものです。新陳代謝の機能が早い時は角質の量が増え、また、頭皮上で点在していた角質が
まとまり、膜のような状態になると、ふけといわれるようになります。
ふけは、ヘアケアの方法で改善される場合と、皮膚病が原因である場合とありますので、心配な時は
医師に相談するとよいでしょう。
染毛剤の注意点
過酸化水素水が含まれた脱色剤は、毛の色素であるメラニンを分解すると同時に、毛の大切な成分で
あるケラチンにまでも作用します。そのために、髪をとても傷つけてしまいます。
また、過酸化水素水に負けて髪が溶けることもあります。
しかし、髪は死んだ細胞で作られているので、脱色剤の使用をやめれば、また健康な髪が伸びて
きます。
染毛剤と皮膚炎
染毛剤を使用する際に、最も注意が必要なのは2つのタイプの皮膚のかぶれです。染毛剤を使って
いて、皮膚炎が発生したらすぐに洗い流して、皮膚科医に相談しましょう。初めは軽い症状でも、時間が
たつにつれて悪化することがあります。
●アレルギー性接触皮膚炎・・・使用してから2日ほどで、皮膚にかぶれが発生します。
●刺激性接触皮膚炎・・・使用してすぐに皮膚が反応してかぶれが生じます。
コールドパーマの成分‐第二剤
第二剤の主成分は酸化剤で、過ホウ酸ナトリウム、過酸化水素水、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウ
ムの使用が認められています。
効果としては、第一剤でバラバラに分解されたアミノ酸の反応を停止して、アミノ酸の配列が元に
戻らないように作用します。
コールドパーマの成分‐第一剤
コールドパーマは2つの薬液を使用します。
第一剤は、主成分である還元剤のほか、界面活性剤、安定剤、アルカリ剤が含まれます。還元剤は
システィン、チオグリコールとチオグリコール塩化物の使用が認められています。
効果としては、アミノ酸の配列を変えて、髪型にかたちをつけていきます。髪は通常、アミノ酸同士が
結合しています。第一剤をかけると、髪は膨張し、アミノ酸の結合を分解します。
コールドパーマのかけ方
自宅でできる手軽なコールドパーマですが、使用方法をよく読み、正しい順序でパーマをかけましょう。
@シャンプー・リンスをする。
Aカーラーを巻く。 ※この時点で髪型が決定しますので、カーラーの数、太さ、位置に
十分注意しましょう。
B還元剤をつける。※還元剤作用効果時間の調整に気をつけましょう。カールの強さ、毛の性質、
薬剤の強さ、室温などをしっかり把握しておきましょう。
C水でパーマ液を洗い流す。
Dカーラーで巻きつけてる髪を酸化剤でたっぷりと湿らせ、数分待つ。
E水で十分に薬剤を洗い流した後、最後にカーラーをはずす。
コールドパーマについて
現在は、市販されているパーマ液の種類は沢山あり、自分でパーマ液をかける事が可能です。
また、パーマ液は、還元剤の種類、pHの種類、アルカリ剤の種類で様々なタイプのものがあります
ので、使用目的に応じたものを選びましょう。
なお、コールドパーマは、濡れている時はウェーブが良くでて立体感がありますが、乾くと髪が
のび気味になるという特性があります。
パーマと皮膚のトラブル
パーマ液は、皮膚を刺激して刺激性接触皮膚炎などを起こす原因となります。また、すでに頭皮に
皮膚病がある場合は、パーマをかけることは控えましょう。
刺激性接触皮膚炎が生じた場合には、かゆみ/皮膚が赤くなる/ただれ/水ぶくれ/ふけの増加
など、様々な症状を起こすことがあります。
パーマと髪のトラブル
パーマをかけるとパーマ液が原因となって、髪に色々なトラブルを起こします。また、すでに痛みが
ひどい髪や漂白した髪のパーマは避けましょう。
●枝毛の増加・・・キューティクルを痛めるため
●毛髪がもろくなる・・・パーマを繰り返しかけたり、強いパーマ液を使用した場合
●毛がちりぢりになる・・・細すぎるカーラーの使用や、カーラーを巻く力が強いと髪が縮れる
リンス/ヘアコンディショナーの成分
リンス/ヘアコンディショナーは、髪の健康を保持するために色々な成分が含まれています。
●プロピレン・グリコール・・・湿潤効果を高める
●ラノリン、鉱物油、シリコーン・・・ 水分蒸発の防止/髪をなめらかにする
●アンモニア化合物・・・コンディショナー成分が髪に付着する効果を高める/静電気防止
●たんぱく質・・・吸着性を高める
●クエン酸・・・pHの調整
●水・・・水分を補給する
リンス/ヘアコンディショナーの使い方
リンス/ヘアコンディショナーは、シャンプーの後、すぐに髪につけましょう。
シャンプーは、髪の表面の皮脂を洗い落とし、キューティクルの配列を乱すことがあるからです。
長い髪やカラーリングなどをした髪は、すでにキューティクルや毛の内部まで痛んでいることも
多いため、枝毛や切れ毛の原因となります。
リンス/ヘアコンディショナーと整髪
リンス/ヘアコンディショナーは、髪を整える上で大きな役割を果たします。
【リンス/ヘアコンディショナーの効果】
●静電気を防ぐ
●痛んだ髪につやを与える
●髪をやわらかくする
●髪のもつれを少なくする
●髪の弾力性やボリュームを与える
リンス/ヘアコンディショナーの効果
リンス/ヘアコンディショナーは、乾燥などですでに痛んでいる髪や、洗髪の際に傷ついた
キューティクルを膜で覆い、髪を守ります。
髪につけてから数分おくだけで十分効果はありますが、15分くらいつけたままにしておくと効果は
一層高まります。それは、すすいだ際に、髪の傷口にのみ保護する成分が残り、余分な成分は
洗い落とされるからです。
シャンプーの種類
シャンプーには、皮脂などの汚れを落とす効果の高いものや、痛んだ髪・乾燥防止専用の洗浄力の
低いシャンプーなどがあります。
【弱酸性タイプと弱アルカリ性】
弱酸性タイプのシャンプーは、キューティクルを守り、毛の膨張を抑えます。
シャンプーを選ぶ際は、ふけや髪の汚れをよく落とし、キューティクルを痛めないもの、また自分の
地肌や髪に合うものを見つけましょう。
シャンプーと石鹸の違い
一般的に、髪を洗う洗浄剤はシャンプーが使用されますが、石鹸での洗髪もシャンプーと同じように
汚れは取れます。また、日本の水は軟水のため、石鹸でも泡立ちがよく不自由はありません。
海外では、硬水のところもありますが、硬水で石鹸を使用すると、石鹸かすが髪に残り、つややはりが
失われます。これは、硬水に含まれるミネラルと石鹸の脂肪分が反応して、水に溶けない成分が発生
するからです。
髪を洗う目安
髪は毎日洗う必要はありませんが、常に清潔な状態は保つように心がけましょう。
<洗髪が必要な状態>
●地肌にかゆみがある
●ふけが目立つ
●髪が脂っぽく、汚れが見える
●髪につやがない
洗髪の回数
髪は死んだ細胞で作られているので、毎日シャンプーしても、また1日に何度洗髪しても、
特に問題はありません。
ただ、地肌をこすりすぎたり、爪でひっかりたりして傷をつけないように気をつけましょう。
また、キューティクルを痛めないように、乾かす際は注意が必要です。
髪のすすぎ方・乾かし方
1.シャンプーの成分が残らないように十分すすいぎましょう。
2.水分は、タオルを押し当てて吸収させます。
※タオルでごしごしこすると、髪を痛めるのでやめましょう。
3.髪がぬれている間に、大きなもつれは、指でほどく
4.ブラッシングは、髪が乾いてからにしましょう。
※水分を含んだキューティクルは痛みやすくなっているので、ぬれている髪をブラシで
とかすと、髪を痛める原因となります。
髪の洗い方
洗髪は、髪だけで頭皮の汚れも落とします。地肌を痛めないようにやさしく洗いましょう。
1.ぬるま湯で髪をぬらします。
2.シャンプーは泡立ててから髪につけ、頭皮は指の腹でやさしくなで洗いをします。
※シャンプーは刺激が強い場合がありますので、直接地肌にはつけないようにしましょう。
※頭皮を洗う際は、爪などで皮膚を傷つけないよう気をつけましょう。
3.汚れがひどい場合には、2度洗いします。
※洗いすぎは、頭皮を乾燥させますので、注意が必要です。
髪の汚れ
髪には、様々な汚れが付着します。ホコリ/ごみ /汗 /化粧品 / 古い角質(ふけ) /皮脂など
これらの汚れはシャンプーで、洗い落とします。
また、毛の表面を覆っているキューティクル(毛小皮)は、水を吸収すると痛みやすくなります。
痛んだキューティクルは、枝毛ができやすくなり、髪のつやはなくなりざらついて、からまりやすく
なります。
ドライヤーの使い方
ドライヤーは正しく使用していれば、毎日使っても髪を痛めることはありません。また、ぬれた髪を
タオルでこすりながら乾かすと、水で弱っているキューティクルを痛めますので、必ずドライヤーで
乾かしましょう。
<正しいドライヤーの使用方法>
●風量は弱くして、温度は低温か中温に設定します。
●風を当てる時は、髪から約20cm離しましょう。
●1箇所に長時間当て続けることは、さけましょう。
●髪がぱさついている場合は、ドライヤー使用時間を減らしましょう。
髪のとかし方
髪を痛めないためには、正しい髪のとかし方を覚えましょう。基本は、やさしくブラッシングを
することです。こすりすぎると髪だけでなく、地肌も痛めてしまいます。
●地肌からではなく、毛先から順にとかし始めます。
●髪が長い場合は、髪全体を一度にとかすのではなく、小分けにしてブラッシングしましょう。
1.とかす部分の根元を持ちます → 2.毛の根元から毛先へ順にとかしていきます
また、髪が濡れている時はブラシをかけず、必ず乾いてからにしましょう。
ブラシの選び方
ブラシは髪への負担が少ないものを選びましょう。
●歯先が丸いもの・・・頭皮を痛めません
●歯がなめらかなもの・・・キューティクルを守ります
●歯の密度・・・髪のもつれや抜け毛予防
●静電気が起きにくいもの
動物の毛で作られたブラシは、柔軟性があり、先端は丸く細いため、髪や頭皮を痛めにくいという
特徴がありますが、ナイロンブラシも髪を痛めない作りになっていれば、特に問題はありません。
ブラッシングの目的
髪をとかしすぎると、キューティクルを傷つけるため、髪は痛んでしまいます。
あらためて、髪をとかす目的や理由を見直しましょう。
<ブラッシングの目的>
●髪を整える
●抜け毛を落とす
●皮脂が毛先にまで届き、なめらかでつやのある髪になる
●汚れを落とす
キューティクルケア
髪のつややなめらかさ、くしの通りの良さは、キューティクルの働きです。キューティクルが傷つけ
られると、美しく健康な髪は痛んでしまいます。
<キューティクルケアのポイント>
●洗髪後は、ヘアコンディショナーやリンスを使って、髪をなめらかにする
●髪が濡れている時は、ブラシをかけない
●髪を乾かす際は、タオルでこすらずにドライヤーを使用する
枝毛のお手入れ
毛は死んだ細胞で構成されています。そのため、枝毛が生じた場合、元に戻すことはできません。
枝毛や切れ毛が増えてしまった場合には、髪を切るのが最も簡単なお手入れ方法です。長い髪は
枝毛がおきやすくなるので、定期的に毛先を切るようにしましょう。
また、シャンプーやコンディショナーで髪に油分が補われ、裂けた髪が元に戻ったり、髪の乾燥防止
効果が見られますが、一時的なものです。
髪を痛める原因−2
健康で美しい髪を保ち続けるためには、栄養状態やキューティクル障害、病気についても理解して
おきましょう。
●毛染めやパーマ・・・毛の成分や頭皮を痛めます。
●プール・・・プールの水に含まれる塩素は脱色と乾燥の原因となります。
●食生活・・・偏った食事をしてたんぱく質が減少すると、抜け毛が増えます。
●病気・・・甲状腺の病気、ホルモンの病気がある場合は髪が痛むことがあります。
髪を痛める原因−1
日常生活で、髪の状態や変色など髪を痛める原因はいくつかあります。
●髪を洗う回数・・・洗髪回数が多いほど、髪は乾燥してぱさつきます。
●ドライヤー・・・ドライヤーの使いすぎは、髪を乾燥させます。
●髪をとかす回数・・・抜け毛や枝毛が増加します。
●日光・・・髪が焼けて脱色し、また、乾燥します。
医師の治療が必要な場合
抜け毛や、髪の生え方に以下のような症状があった場合は、何らかの病気や原因を突き止める必要が
ありますので、なるべく早く医師に相談してください。
●抜け毛の太さ・・・細い毛が多い場合。
●髪の密度・・・毛の生え方にむらがあったり、一部が極端に少なくなっている場合。
抜け毛チェック
抜け毛が気になる場合には、抜け毛の症状や状態を確認しましょう。
●毛の状態・・・折れている毛や枝毛が多い場合は、髪のお手入れを見直しましょう。
●毛の根元・・・根元は綿棒の様な形をしていて、白いふけのようなものが付着していれば
健康です。
●抜け毛の数・・・毎日、なるべく同じ時間に髪を洗い、洗髪時と髪をとかした時に抜ける
髪の本数を調べます。正常な髪は1日50本から100本抜けます。
加齢と毛の成長
毛は毛包周期とよばれる新陳代謝を繰り返すことにより、伸びたり抜け落ちたりします。
加齢により毛髪には色々な変化が出てきます。男性は男性ホルモンの影響で髪が薄くなります。
女性は、髪が細くなり後頭部の髪は薄くなります。
<髪の毛包周期>
1.成長期・・・2年から6年かけて髪が伸びます。
2.退行期・・・毛の成長は停止し、3ヶ月かけて毛の根元が表皮に移動します。
3.休止期・・・毛の根元が完全に表皮に到達して、毛は抜け落ちます。
抜け毛の原因
抜け毛には、様々な要因があります。症状によっては治療が必要な事もありますので、抜け毛が
気になるときは医師に相談してみましょう。
<抜け毛の要因事項>
●使用している内服薬
●月経周期、妊娠の有無、妊娠人口中絶の有無
●食生活、髪の手入れ方法、髪型
●病気(高熱が出たか、手術をしたか、甲状腺の病気など)
●遺伝的要素
黒髪のしくみ
毛の根元には、色素細胞が存在しメラニンを生成します。髪の毛が作られる過程で色素細胞は、
メラニン色素を毛の内部に分泌します。 このメラニンが髪に含まれ黒くなります。
老化により色素細胞の機能が低下したり、消失すると、メラニンは作られなくなり、髪は白髪へと
変わっていきます。
ストレスの髪の色の変化
ストレスは髪の色とは、何ら関係はありません。過剰な疲労や精神的なショックなどで黒髪が急速に
白髪へ変化するということも特にはありません。
白髪は、必ず白い状態で生えてきます。すでに生えているい黒髪が徐々に白い髪へ変わっていく
ことは決してありません。
栄養の必要性
無理なダイエットや不規則な食生活は、髪にも大きな影響を及ぼします。髪に必要な成分が不足し、
栄養が偏ると抜け毛が多くなります。
栄養不足になり飢餓状態におちいると、髪の成長周期が停止して休止期の状態になる毛が増加
します。そのため、抜け毛が大変多くなります。また、毛は細く弱々しくなります。
バランスのとれた栄養
髪の成分の99%はたんぱく質で構成されています。そのため、無理なダイエットや、神経性食思不振
で急激にたんぱく質が減少すると、髪が抜けやすくなります。
【神経性食思不振(しんけいせいしょくしふしん)】
体重増加の恐怖や、痩せたいという願望など、心理的な要素が原因で通常の食生活が送れなくなる
病気です。標準体重が20%以上減少し、死亡する場合もあります。30歳以下の女性に多く見られ、
月経も停止します。
髪に効果のある栄養素
つやのある美しい髪を保ち続けるのに必要な栄養素は、たんぱく質です。また、その他バランスの
とれた食生活を送ることが大切です。
わかめやこんぶなどの海藻は、髪の健康によいという説がありますが、海藻に含まれるヨードという
成分と健康な髪への効果については、明確には判明していません。また、髪を美しくする効果のある
ビタミンも、特にはありません。
見た目の美しさ
髪は色々な要素がそろうことで、美しくつややかな髪が作られます。
●髪の表面のなめらかさは、皮脂によるものです。毛包には、脂腺がつながっているため、
髪に皮脂が届き、つやのある髪となります。
●毛の表面は、キューティクル(毛小皮)で、覆われており、かわらが重なっているような
構造をしています。
毛の長さの違い
毛は成長期に伸びていきますが、生える場所により伸びる長さが異なります。眉毛やまつげは、
ある程度まで成長して、髪のように伸び続けることはありません。髪の成長期は個人差がありますが、
通常は2年から6年かけて伸びていきます。
また、毛が抜けた後には、うぶ毛が生えてきて、約1ヶ月に1cmくらいの速さで伸びていきます。
毛包の成長周期
毛を作る毛包には、3つの周期があります。
1.成長期・・・新しい毛が生成されて伸びていきます。
2.退行期・・・毛の伸びが止まります。
3.休止期・・・毛が抜け落ちます。
休止期が終了すると、また、成長期に戻り、新しい髪が作られていきます。
毛包とは
毛は毛包の毛母細胞が分裂することにより、生成されます。毛包は、生まれた時全身に約10万本
あり、それ以上、新しく生成されることはありません。なお、ひとつの毛包から、複数の毛が生えてくる
ことはあります。
また、すべての毛は死んだ細胞によって構成されています。生きている細胞はありません。
毛と毛包のしくみ
髪はたくさんの層が重なって構成されています。
<髪の構造>
(毛の内側より)毛随質 → 毛皮質 → 毛小皮 → 内毛根鞘 → 外毛根鞘
さらに、毛を生成する細胞がある毛根部は、毛乳頭、毛母から成り立っています。また、毛根部は
血管と神経を覆うような形になっています。
健康な髪の特徴
健康な髪とは、見た目の美しさのほか、栄養が行き届いて、構造もしっかりとした髪のことをいいます。
●表面はなめらかで、つやがあり、枝毛がない。
●1日に50本から100本の毛が抜け落ち、また新しい髪が生成される。
●抜け毛の根元は、白く乾燥していて綿棒のような形をしている。
医師のいぼ治療
下記の医療機関での治療法は、すべていぼを取り除く方法です。
●電気凝固療法・・・電流を使う治療のため、やけどのように皮膚がただれます
●液体窒素凍結療法・・・皮膚への負担は軽い。患部の凍結・解凍を繰り返す治療のため、
いぼが完全に除去されるまで通院が必要です。
●手術療法・・・いぼは確実に除去されますが、手術跡が残ります。
いぼの治療
ウィルスいぼの治療はいくつかあり、どの治療法でも、必ず完治します。
●皮膚に免疫をつけ抵抗力を高める治療法・・・はと麦、苡仁湯(よくいにん)を飲む
●いぼを除去する治療法・・・絆創膏や液体タイプのいぼ除去剤を使用する。皮膚をやわらかくし、
いぼの表面が徐々にはがれていく効果がある。
●何もせずに自然治癒を待つ
いぼに似た皮膚病−脂腺母斑
【脂腺母斑(しせんぼはん)】
顔と頭によく見られ、生まれつきあるあざのことです。あざは最初平らですが、思春期までに皮膚の
一部がふくらみ、しこりができます。
また、様々な腫瘍を合併するため、成人する前に完全に取り除く必要があります。
いぼに似た皮膚病−表皮母斑
【表皮母斑(ひょうひぼはん)】
生まれつきあるあざのことを言います。小さなしこりのみ、線状に生じるタイプ、全身に拡大する
タイプと、症状は様々です。
見た目には、表面がいぼ状になっていて、皮膚が盛り上がっているように見えます。
治療法としては、手術による切除が可能です。
いぼに似た皮膚病−軟線維腫
【軟線維腫(なんせんいしゅ)】
首、わきの下、目のまわりに小さなしこりができる良性の腫瘍です。治療法としては、電気凝固
療法、液体窒素凍結療法、手術による切除などがあります。
●電気凝固療法・・・電流を用いてがん細胞を除去する方法です。
●液体窒素凍結療法・・・液体窒素(液体)を綿棒で患部に押し当ていぼを凍結させ、解凍したら、また
同じ事を繰り返す治療法です。
いぼに似た皮膚病−血管腫
【血管腫(けっかんしゅ)】
血管が集中してできる良性の腫瘍です。いぼに似ている血管腫には、疣状血管腫、被角血管腫、
老人性血管腫があります。
その他の血管腫では、赤あざといわれ、赤い斑点ができる単純性血管腫、皮膚の表面が
いちごの様に見えることから苺状血管腫というものがあります。
いぼに似た皮膚病
いぼができた際は、ウィルスいぼか、他の皮膚病かを確認することが大切です。
皮膚病である場合には、医師による治療が必要だからです。
<いぼに似た皮膚病>
●日光角化症/脂漏性角化症(老人性疣贅)
●有棘細胞がん
●血管腫/軟線維腫
●表皮母斑/脂腺母斑
ウィルスいぼについて
「ウィルスいぼ」とは、一般的に言われている「いぼ」のことで、ヒトイボウィルスが原因で発生する
皮膚病の一種です。ウィルスがなくなるまでは、再発したり、感染もします。
しかし、皮膚に免疫ができて抵抗力がつくと、ウィルスは次第に除去されますので、いぼは自然に
治ります。
たこの治療法−カッター
絆創膏のほかに、たこの治療には、カッターを使用して削り取る方法があります。1週間に1回を
目安に皮膚の硬い部分を少しずつ削っていきます。
また、水やお湯に長時間触れると、皮膚と同じくたこもふやけてやわらかくなるので、入浴後は
お手入れがしやすくなります。
たこの治療法−絆創膏
サリチル酸入りの絆創膏や、スピール膏などを利用して、たこをやわらかくし、削り取る方法が
あります。通常、絆創膏を貼ってから4日ほどで、たこはやわらかくなりますが、様子を見ながら
少しずつ削っていきましょう。
また、たこを除去する液体の治療薬もあります。薬液を1日1〜2回塗布すると、4日ほどでたこは
やわらかくなります。
うおのめの治療法
うおのめに痛みを感じた時は、カッターなどで、患部を少しずつ削りましょう。
また、スピール膏などの絆創膏を使用する場合には、うおのめの芯が取れるまで様子を見ましょう。
なお、うおのめを削っていて出血する場合は、ウィルスいぼの可能性が考えられます。
なるべく早く医師に相談しましょう。
うおのめの予防法
うおのめは、皮膚と靴などの物質とのこすれ、皮膚と皮膚とのこすれによって生じます。また、関節や
骨の上にある皮膚にできやすいことも特徴です。
小さくてきつい靴をはいたり、長時間、靴をはき続けると、うおのめはできやすくなります。
靴の種類に問題はありません。靴が自分の足のサイズや形に合っているかどうかが大切です。
たこやうおのめのお手入れ
たこやうおのめは、自分で治療ができます。治療方法は、皮膚が厚くなったり、厚い範囲が拡大
したり、痛みが生じた場合に、カッターなどで薄く切り取ります。
また、たこやうおのめを予防するには、皮膚のこすれや、皮膚の特定箇所が継続的に当たると
いう様な、外部からの刺激を避けることが大切です。
わきが手術の専門医
わきがの手術には、高度で細かいテクニックと経験を要します。評判のいい皮膚科、美容外科、
形成外科を探してみましょう。
また、手術を行なう場合には、手術方法や費用(健康保険使用の可否)など、自分が十分理解し、
納得できるよう、医師との話し合いが大切です。
反転剪除法の手順
反転剪除法の具体的な治療方法です。治療範囲は、わき毛のある部分よりも広範囲になります。
1.わきの下に局所麻酔を打ち、皮膚を切開します。
2.皮膚を裏返し、アポクリン腺を切り取ります。
3.止血後、裏返した皮膚を元に戻し縫い合わせ、動かないように圧迫します。
4.手術後、10日前後で抜糸します。
わきがの手術−反転剪除法
この手術は、においの原因になるアポクリン腺を取り除く方法です。わきが対策には様々な手術が
ありますが、反転剪除法は、他の手術方法に比べるとメリットが多いことが特徴です。
<反転剪除法(はんてんせんじょほう)のメリット>
●成功率が高い
●手術は簡単で入院の必要がない
●手術跡の修正が可能で、合併症も少ない
医師による治療
わきがは、イオントフォレーシスや手術をして治療することもできます。また、皮膚科では、
塩化アルミニウム入りの制汗ローションを処方します。
【イオントフォレーシス】
わきの下の皮膚に、電気の刺激を与え、汗腺にある細胞の内外のイオンの流れを阻害します。
そうすることにより、エクリン腺の機能を低下させ、汗を作りにくくする治療法です。
制汗スプレーの注意点
スプレーを吹き付ける時は、10cm以上離して使いましょう。肌に近すぎたり、長い間噴射し続けると、
皮膚の温度が急激に下がり、凍傷になる危険があります。
また、除毛直後の使用は刺激が強いため、肌荒れの原因になる可能性があります。顔や粘膜、
傷への使用も避けましょう。
制汗スプレーの効果−発汗抑制
収れん作用を利用して、皮膚上の汗が出る穴を引き締め、発汗をおさえます。
<使用される成分>
●アルコール、ホルムアルデヒト
●塩化第二鉄、タンニン酸
●硫化化合物、アルミニウム塩化物
制汗スプレーの効果−におい抑制
デオドランド作用にて汗を分解し、においの原因である細菌のはたらきを抑えます。
<使用される成分>
●過ほう酸ナトリウム
●葉緑素化合物
●過酸化亜鉛
●クロルヘキシジン(消毒薬)
発汗防止スプレー
制汗スプレーの働きはいくつかありますが、効果の持続性があまりありません。
<制汗スプレーの3つの働き>
●汗のにおいを防ぐ
●発汗を抑える
●よい匂いをつける
わきが対策
わきがには、においのほかに、汗の色(黄色)や汗の量といった問題点があります。衣服の汗の
しみが気になる場合は、わきパッドを使用すると良いでしょう。
市販の制汗ローションや、スプレーなども、汗とにおいの抑制に役立ちますので、自分の肌に
合うものを見つけてみましょう。
洗い方のポイント
汗のにおいは、洗い方を工夫すれば、かなり改善されます。基本はとにかく「洗うこと」です。
特にわきの下は、腕を持ち上げて、わき全体を洗いましょう。
殺菌剤入りの石鹸を使うと効果は高くなります。陰部も、石鹸を泡立てて、すみずみまで丁寧に
なで洗いをしましょう。
また、外出前にシャワーを浴びると効果はより一層高まります。
わきがの原因
わきの下の汗はアポクリン腺から分泌されます。この汗は時間の経過にともない、たんぱく質が
分解されて、強いにおいへの変化していきます。
アポクリン腺は、わきの下の他、外陰部、乳房のまわりに分布しており、毛穴とつながっています。
アポクリン腺で分泌された液体が、わきがや体臭の原因なのです。
2005年09月09日
ほくろの手術
ほくろは、手術で取り除くことが可能です。 また、通常入院する必要もありません。
<ほくろの手術>
ほくろの部分に麻酔をうちます → ほくろより大きめに皮膚を切り取ります
→ 切り取った部分を縫い合わせます → 手術後、3日〜1週間で抜歯します
ほくろと癌
ほくろが直接、がんになることはありません。 ほくろの所に腫瘍(=悪性黒色腫)ができるのです。
生成されたばかりの悪性黒色腫は、ほくろと区別するのは大変困難です、
これは、生まれたばかりの動物の赤ちゃんが、親と同じ体の模様をもっていない現象と同じですので、
成長するに従い、ほくろと腫瘍の違いは、はっきりしてきます。
ほくろの変化
ほくろには、生まれつきある「先天性」、生まれた後に生成される「後天性」と2つのタイプがあります。
なお、ほくろに急激な変化がある場合は、悪性黒色腫の検査をしましょう。
<ほくろの急激な変化>
1.色が変化する
2.急に盛り上がったり、横に広がったりする
3.出血
4.表面のただれ
足の親指の爪
足の親指の爪は注意が必要です。正しく切らない、「ささり爪=陥入爪」になります。
<足の親指の爪の切り方>
1.丸く切らずに、指の先に合わせて真っすぐに切る
2.爪の両端が、皮膚に食い込まないよう先端が指から出るように長めに切る
【ささり爪=陥入爪(かんにゅうそう)】
爪の曲がって皮膚に食い込む爪で、巻き爪とも言われます。
爪の切り方
よく切れる爪切りを使いましょう。肌荒れを起こしている皮膚は、皮膚と同じく爪も乾燥しています。
そのため、切れない爪切りを使用すると、乾燥している爪は割れて、何層にもなります。
また、深爪をしないように気をつけましょう。
逆むけは、無理にむくと、皮膚を傷つけ化膿する場合もあります。必ず爪きりやはさみで切りましょう。
健康な爪
健康な爪の特徴は、たてに細かいスジが見えます。不健康な爪は、表面はガタガタになり、横に
すじができます。爪の横すじは、爪の根元にある皮膚が荒れている、もしくは、全身的な病気によって
現れることもあります。
なお、爪の生え際にある白い部分は、健康状態と関連性はありません。
主婦湿疹の予防−日常生活
日頃の生活で、手が乾燥しがちの時、また水仕事の後などは、必ずハンドクリームをつけましょう。
普段から、こまめに塗ることがとても大切なのです。
また、乾燥しやすい肌は、紙や衣類などを触ったり、その他、普段の生活をしている上で肌荒れを
起こします。手荒れ防止のためには、木綿の手袋の使用をおすすめします。
主婦湿疹の予防−水仕事
洗剤等の化学製品を使用する場合は、必ず、木綿の手袋とゴム手袋やビニール製の手袋を
2枚重ねで着用しましょう。素手での使用は、肌荒れの第一歩となりますので、禁物です。
ゴム手袋は、蒸れることがありますが、肌荒れ防止のために着用は必須です。
また、原液を薄めるタイプの洗剤は、使用方法を読んだ上で使いましょう。
薬の塗り方
薬は、なでるように伸ばしながら塗ってください。強くこすりながら、すりこむ方法は、皮膚を
硬化させます。また、薬はすり込まないので、皮膚の表面に残りべたつきます。
薬を塗った後は、木綿の手袋を着用しましょう。夜寝る前に念入りに薬を塗ってから手袋をして寝ると、
とても効果的です。また、手袋の着用時間と比例して、肌荒れの治癒は早まります。
主婦湿疹の治療−外用薬
主婦湿疹の治療薬としては、ステロイドホルモン入りの外用剤を使用します。水でぬれた後は、
薬を塗るようにすることが大切です。また、毎晩必ず寝る前に塗ることも大切です。
薬は1日に何度塗っても問題ありません。毎日、こまめに塗ることが、効果を一層高めます。
また、脂肪分が多いものや甘いものを控え、睡眠と十分にとる生活をすれば、漢方薬での治療も
可能になります。
男女共に起こる主婦湿疹
主婦湿疹は、必ずしも主婦がなるとは限りません。水や洗剤に触れる機会が多い男女に共通して
起こります。いったん、荒れた皮膚は抵抗力がなくなり、食品やシャンプーなどでも敏感に反応するように
なります。
また、入浴時には、肌荒れを起こしている手をお湯の中に入れないようにしましょう。
肌がふやけると、肌荒れが悪化するからです。
主婦湿疹の治療法
主婦湿疹になったら、必ず皮膚科医に相談しましょう。皮膚科での治療は、2つの方法を並行して
行います。
1.荒れた皮膚を元の状態に戻す
2.健康な皮膚が肌荒れを起こさないように予防する
主婦湿疹と洗剤
素手で洗剤を使うと、主婦湿疹になる確率が高くなります。
皮膚は、水分と皮脂で構成される薄い保護膜で覆われています。洗剤は、この保護膜を破壊して、
皮膚に必要な皮脂を洗い流してしまいます。そのため、皮膚の抵抗力が弱まり肌荒れを起こします。
また手のひらは、皮脂を分泌する脂腺がないため、より一層、乾燥しやすいのです。
主婦湿疹と原因
主婦湿疹には、アレルギータイプと、刺激性タイプと2種類あります。また、日常生活における様々な
きっかけにより、肌荒れをひどくする場合があります。
<肌荒れ悪化の要因>
手をこする/入浴・水仕事などで皮膚がふやける/魚、青果など生ものの接触/爪でひっかく
主婦湿疹とは
主婦湿疹は、主婦に多く見られ、正式名である「手湿疹」の1つです。
【主な症状】・・・皮膚硬化、水疱、紅斑、亀裂、びらん、丘疹、
【原因となる皮膚炎】・・・刺激性接触性皮膚炎、異汗性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎
●異汗(いかん)性皮膚炎・・・自分の汗が原因で起こる肌荒れ
しもやけの治療法
しもやけの治療には、ビタミンEの摂取が効果があります。ビタミンEは、血行を促進する作用が
あるからです。
しもやけの症状がひどい場合は、皮膚科医に相談してください。
ステロイドホルモん入りの塗り薬のほか、、血管強化剤、循環ホルモン剤、末梢血管拡張剤などが、
治療薬として使われます。
しもやけの予防
<しもやけ予防>
●外出時は、必ず手袋をしましょう。
●こまめにハンドクリームを塗り、数分間、マッサージをしましょう。
●外出する前は、手や足をよくマッサージすることも大切です。
※マッサージは、血液の循環をよくします。
●きつい靴は、はかないようにしましょう。
手のしもやけと注意点
しもやけは、水仕事や乾燥した冷たい空気が原因でおこります。なぜなら、皮膚の温度が下がると
血液の循環が悪くなり、皮膚に悪影響を及ぼすからです。
<しもやけで注意すること>
●素肌を冷たい空気に当てない
●水仕事では、ぬるま湯やお湯を使う
あかぎれの予防と治療
冬季に入ってからではなく、常日頃から、ハンドクリームをこまめに使用して皮膚の乾燥を防ぐことが
大切です。また、洗剤を使用する際は、必ずゴム手袋などを着用しましょう。素手で水仕事をすると、
肌の乾燥化が早まり敏感肌になってしまいます。
あかぎれになってしまった皮膚は、専門医による治療が必要となってきます。ハンドクリームでは
治すことが困難なので、なるべく早く皮膚科医に相談しましょう。
手のあかぎれの特徴
あかぎれは、冷たい空気や皮脂不足により皮膚が乾燥して、弾力性が失われ、皮膚表面の溝に
沿ってひびが入る状態をさします。また、ひびが悪化すると深い割れ目が生じます。
あかぎれは夏でも肌荒れが起きていて、冬になると冷たく乾燥した空気により、皮膚はさらに乾燥して
症状は悪化します。
日常の心がけ
普段の生活において、肌荒れ対策を実行し、アレルギー原因となるものに触れないようにする、
少しの心がけで、アレルギーのトラブルを避けたり、症状の発生率を下げることができます。
手荒れなども、水仕事の後、必ずハンドクリームをつける事により、肌荒れの悪化を予防することが
できます。
洗剤を使用する時の注意点
市販されている食器用洗剤は、水で薄めて使用するものが沢山あります。原液のまま、素手で
水仕事をすると、皮膚に大変強い刺激を与えることになります。
<洗剤を使用する時の注意点>
●洗剤を使う水仕事をする時は、必ずゴム手袋などを使用し皮膚を守りましょう。
●洗剤の使用方法は必ず読みましょう。
洗剤かぶれの過程
皮膚の表面は、薄い保護膜で覆われています。洗剤は、この保護膜を破壊するため皮膚の
抵抗力が落ち蓄積疲労がでてきます。
そして皮膚は、乾燥、かさつき、赤みが発生して、ひどくなると、ただれが起きます。
この症状を繰り返すことにより、皮膚は弾力性を失い、硬くなってしまいます。
そのため、冬は乾燥によりひび割れなどができてしまいます。
洗剤によるかぶれ
洗剤を使用で起きるかぶれは、刺激性接触皮膚炎です。一般的にアレルギーは、特定の人だけに
症状が見られますが、洗剤によるかぶれは、あらゆる人に発生する可能性があります。
かぶれにより皮膚は赤くなり、また、ただれてしまうと、赤い湿疹や小さな水疱ができて、
皮がむけることもあります。
金属アレルギーの予防
金属は、水分がかかるとイオン化します。この金属イオンが、皮膚にしみこむために、アレルギーが
起こります。また汗は、通常、弱酸性の表皮をアルカリ性にして、外部からの異物に対する防御力を
低下させます。
水仕事や、スポーツなどで汗をかく時は、身につけているアクセサリーや時計など
金属のものは、はずすようにしましょう。
アレルギーと金属−クローム
ニッケル、コバルトと比べると接触皮膚炎はおこりにくい金属です。また、クロームには3価、6価の
2種類のタイプがあります。
●3価・・・塗料、インク、シェービングクリーム、皮革
●6価・・・洗剤、ブリーチ剤、塗料、皮革
アレルギーと金属−コバルト
コバルトはニッケルと同じように溶けやすい性質を持っています。また、ニッケル化合物には微量の
コバルトが常に共存・混在しています。
<コバルトが使用される製品>
●色を使用・・・クレヨン、塗料など
●日用品・・・ポリエステル樹脂、洗剤など
●粘土、セメントなど
アレルギーと金属−ニッケル
一般的に、ニッケル、もしくはニッケル合金が、メッキとして使用されます。アクセサリーのほか、
文房具、衣類の金具などに使用されます。
<ニッケルが多く使用される品物>
●アクセサリー・・・ネックレス、イヤリング、ブレスレッドなど
●文房具・・・ペン、はさみなど
●衣類の金具・・・ファスナー、ボタン、フックなど
衣服や下着でおこるアレルギーの予防
衣類には、さまざまなアレルギー成分が含まれています。これらが原因となって起こるアレルギーを
予防するために、新品の衣服や下着は着用する前に、必ず一度、洗濯をしましょう。
そうする事により、アレルギーの原因になる余分な成分が洗い落とされ、かぶれの発生率を
抑えることができます。
2005年09月08日
アレルギーの原因になりやすい衣料成分
衣類に使用される色々な成分が、アレルギー性接触皮膚炎の原因となることがあります。
●繊維・・・ゴム紐、ナイロン
●蛍光増白剤・・・WG、チノパール
●防腐剤・・・ホルマリン
●染料・・・クロム、ナフトールAS
アレルギーの原因になりやすい植物
アレルギー性接触皮膚炎をおこしやすい植物は様々です。
●野菜/果物・・・にんにく、トマト、マンゴー
●野草/樹木・・・うるし、いちょう、はぜのき、つたうるし
●園芸植物・・・菊、西洋桜草、アルストロメリア、オブコニカ
アレルギーやかぶれの予防
アレルギーやかぶれを予防するには、アレルギーを引き起こす原因であるアレルゲンを見つけることが
大切です。
アレルゲンについては、医療機関で行われるパッチテスト(多様なアレルゲンを皮膚につけて反応を
みる)を受けて確認してみましょう。
アレルゲンは、金属、植物、化粧品など、200種類以上確認されています。
ストレスによる肌荒れ
ストレスの続く生活をしていると、精神的や時間的に余裕がなくなると、スキンケアは怠りがちになって
しまいます。 化粧落としや、洗顔にゆっくりとした時間が持てなくなり、徐々に皮膚は荒れていきます。
またストレスは、皮膚の分泌を活発化させるので、脂っぽい皮膚となり、にきびや脂漏性皮膚炎の
原因となります。
たばこと皮膚がん−有棘細胞がん
【有棘細胞がん】
悪性の皮膚がんです。やけど、日光障害、放射線治療が原因で発生します。
また、表皮にできた腫瘍は拡大していき、がんが進行すると手足のほか、体内の臓器などあらゆる
部位に転移し、死亡することもあります。
老化と健康食品の効果
現在、様々な健康食品が市販されていますが、皮膚の老化予防に効果がある栄養素は、
一切ありません。老化現象と栄養の働きには関連性がないからです。
<老化による皮膚の変化>
●紫外線による様々な症状
●脂腺や汗腺機能の低下による皮膚の乾燥
●表皮が薄くなったり、皮膚の血管が細くなる
●新陳代謝機能の低下が原因で起こるくすみ
たばこによる皮膚トラブル
たばこは、皮膚に多大な悪影響を及ぼします。
<たばこによる皮膚トラブル>
●顔のしわが増える → たばこが皮膚の真皮を傷つけ肌を老化させます。
●血液の循環が悪化する → 皮膚の傷が治りにくくなります。
●たばこをはさむ指が黄色に変色する
●口、くちびる、粘膜に有棘細胞がんが発生しやすくなる
生活習慣とスキンケア
【睡眠不足】・・・にきびや、脂漏性皮膚炎などの肌荒れが起こりやすくなります。
睡眠不足の生活を続けていると、皮脂の量が増加するからです。
【便秘】・・・便秘が皮膚に何らかのトラブルを起こすきっかけになる事は特にありません。
【アルコール】・・・アルコールと皮膚への悪影響の関連性は特にありません。
ただ、体温上昇による発汗による肌荒れや、かゆみが起きることはあります。
顔の湿疹−日光皮膚炎
【日光皮膚炎】
紫外線が原因で、かゆみや引っ掻くことによる肌荒れが起こります。
光毒性皮膚炎、多形日光疹、日光熱傷などがあり、紫外線を浴びると必ず反応のある、「常時肌荒れ
タイプ」、春先にのみ肌荒れが起こり、日焼けで肌が黒くなると治る、「一時的肌荒れタイプ」があります。
顔の湿疹−脂漏性皮膚炎
【脂漏性皮膚炎】
脂腺が集中して、皮脂がよく分泌される部位に起こります。脂っぽいフケや皮膚の赤み(紅斑)が
特徴です。かゆみは、ほとんど感じない場合と、とてもひどい場合と、個人差があります。
また、睡眠不足、生理前など体調の変化がある時によく見られます。
顔の湿疹−接触皮膚炎
何らかの物質と皮膚の接触により起こる肌荒れで、アレルギー性と刺激性の2つのタイプに
分かれます。
【アレルギー性接触皮膚炎】
皮膚の免疫機能が、肌に触れた物質に反応します。うるしなどの植物、化粧品等
【刺激性接触皮膚炎】
長時間、洗浄剤を使用した洗顔後に、顔にひりひりとした痛みが発生します。
顔の湿疹と荒れ性
顔の湿疹と荒れ性は異なる症状です。
【荒れ性】・・・皮膚の乾燥が原因でおこる皮膚トラブル
<症状>
●つっぱり感がある
●皮膚にざらつきがある
●つやがない
●こじわが目立つ
●皮膚が粉っぽく見える
スポーツと皮膚トラブル−用語詳細
<皮膚の感染症>
●とびひ・・・溶血性連鎖球菌や化膿性ぶどう球菌が原因で、皮膚が化膿し、伝染性があります。
外用薬と抗生物質で治療します。
●水いぼ(伝染性軟属腫)・・・水がたまっている様に見えるいぼ。プールでの感染しやすく、子供に多く 見られます。自然に治りますが、伝染性のため治療が必要です。
<皮膚のただれ>
●ジョガー乳頭・・・長時間走行時のシャツの摩擦により、乳首がこすられ、ただれが起きます。
走る前に絆創膏などで、予防します。
2005年09月07日
運動と皮膚のトラブル
運動は、皮膚を傷つけたり老化の原因となる事もあるので、皮膚のトラブル予防には気をつけましょう。
<スポーツで起きやすい皮膚トラブル>
●ジョギング・・・靴ずれ、まめ、汗のかぶれ、足底の点状出血、ジョガー乳頭
●水泳・・・乾燥肌、皮膚の感染(いぼ、水虫、とびひ、水いぼ)、日焼け、髪の脱色
●テニス・・・日焼け、まめ、靴ずれ
●スキー・・・日焼け、肌の乾燥、凍傷
●ゴルフ・・・日焼け、草かぶれ、まめ、靴ずれ
スキンケアと運動
有酸素運動は、血液の循環が良くなり、十分な栄養分と酸素が皮膚に供給され、健康な皮膚を
作ります。しかし、血液循環を向上させること以外では、具体的なスキンケアの効果は特にありません。
【有酸素運動】・・・十分な酸素を補給しながら脂肪を燃やす運動
ウォーキング、ジョギング、水泳、自転車など。
ハンドクリームの使用方法
肌荒れを防止するために、ハンドクリームの使用は大切です。
水仕事の後は、必ず塗るように心がけましょう。手の水分は十分ふき取ってから塗ります。
夜寝る前につけた後は手袋を着用すると、より一層効果的です。
ハンドクリームのべとつきが気になる場合には、ティッシュに軽く吸収させる、薄く塗り伸ばすなど
してください。
ハンドクリームの種類
ハンドクリームは、使われている成分により効果が異なります。
●ビタミンE入り軟膏・・・血液の循環がよくなります。
●尿素軟膏・・・保水力が強く、べたつきません。傷がある場合は、しみます。
●ワセリン・・・乾燥した皮膚に効果があります。油分が多いため、べとべとします。
手荒れの防止と治療
ハンドクリームは、乾燥や水仕事などから肌荒れを守ります。また、水仕事や洗剤を使う時は、
ゴム手袋を、その他の家事では、木綿の手袋を着用して、乾燥や紫外線から皮膚を守ります。
手荒れがひどくなり、治療が必要になった時は、塗り薬を使います。
特に、ステロイドホルモン入りの外用剤は、効果の高い肌荒れ治療薬です。
紫外線と手荒れ
日光に含まれる紫外線は、皮膚を構成する成分である「真皮」や「膠原線維・弾力線維」を
変質させるため、深いしわの原因となります。
●真皮・・・皮膚の95%を占める皮膚の成分の一つで、肌の弾力を作るとても大切な役割があります。
また、血管、神経、毛根、皮脂腺、汗腺などが集中しています。
●膠原線維・弾力線維・・・ともに皮膚の強度を保持し、特に膠原線維は真皮の80%を占めます。
弾力線維は紫外線Aに破壊されると肌の弾力は失われます。
洗剤と手荒れ
洗剤を使う時は、ゴム手袋を使用しましょう。
洗剤を素手で使用すると、皮膚に必要な皮脂が落とされ乾燥してしまいます。そして、様々な刺激に
対する抵抗力が落ち、敏感な肌になってしまいます。
そのため、シャンプーや水、食べ物などに反応して、ただれが起きることがよくあります。
手のスキンケア
手のスキンケアでは、以下の5点に注意しましょう。
●紫外線にあてない。
●寒気や冷水に素肌をあてない
●水仕事の後は、クリームをつける
●洗剤を使う時は、必ずゴム手袋をする
●肌荒れが起きた時は、すぐに治療する
くちびると肌荒れ
くちびるは、色々な刺激により肌荒れを起こしやすいく部位です。
【くちびるの肌荒れ】
●食べ物・・・しょうゆ、果汁、お酢などでおこる接触皮膚炎
●リップクリーム/口紅・・・接触皮膚炎
●空気の乾燥・・・くちびるが乾き、つっぱり感やかさつきがある
●日光・・・高齢者に多く、下くちびるによく見られる
●唾液・・・乾燥したくちびるをなめ続けると、症状が悪化する
虫刺されの治療法
虫にさされた箇所には、すぐに薬を塗って、包帯やガーゼで皮膚を覆い、爪から皮膚を守りましょう。
また、皮膚科にあるテープタイプの塗り薬は、治療と同時に皮膚も外部の接触から守ることが
できます。テープタイプの塗り薬とは、テープの粘着剤と治療薬が混ぜられたものです。
特に、ステロイドホルモン入りの塗り薬は、高い効果があります。
虫さされ後の注意点
虫にさされた後、かき続けると、治りにくくなり跡が残ってしまいます。また、皮膚が盛り上がり、
しこりができてしまう事もあります。
さらに、患部以外の健康な皮膚も敏感になってしまうため、かゆい部分が増えてしまいます。
そのため、「引っ掻く → しこりができる」を繰り返し、しこりを増やす結果になります。
かゆみの治療−個人の場合
かゆみが発生した時は、以下の方法を試してみましょう。
●かゆい箇所を冷やす・・・冷やしすぎは、逆に肌にほてりを加え、かゆみが増すので注意すること
●かゆい箇所をたたく/つねる・・・痛みで、一時的にかゆみは改善されます
●かゆい箇所は温めない・・・皮膚の温度が上がると、かゆみが増します。
●かゆい箇所の保護・・・絆創膏やガーゼなどで、患部を覆います。
●爪を切る・・・ひっかく時に爪が伸びていると肌荒れを悪化させます。
●手袋の使用・・・爪から肌を守ります。
かゆみの治療−医師の場合
かゆみで皮膚を引っ掻いてしまうと、肌荒れがひどくなったり、治りにくくなったりします。
かゆみを感じる場合には、早めに皮膚科医に相談しましょう。
<医師による治療法>
●対症療法・・・外用剤や内服薬を使用して、かゆみや、かゆみが原因で起こる肌荒れを治します。
●根治療法・・・かゆみの原因を取り除く事で、症状を改善していきます。
月経中の肌荒れ
月経中によく見られる症状は、「にきび」と「脂漏性皮膚炎」です。
いずれも、ひっかいたり、触ったりすることで、肌荒れがひどくなりますので、症状が重い場合には、
皮膚科医に相談することをおすすめします。
【脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)の特徴】
かゆくなる/赤くなる/かさつく/頭皮のかゆみ/ふけの増加
月経とスキンケア
月経の時は、脂腺が多い部位で皮脂の分泌が活発になります。
そのため、鼻、額、あご、耳まわり、また頭皮などは、洗浄剤を泡立ててなで洗いをしましょう。
<月経中のスキンケアで気をつけること>
●肌荒れが起きているところのお化粧は避ける
●かゆみがある場合は、治療薬を使う
●こまめに洗顔、洗髪をする
ストレス対策
ストレスが原因による肌荒れや皮膚病は、一般的なスキンケアで解決することはできません。
そのため、働きすぎ、睡眠不足、不規則な食生活などは、できるだけ改善できるように心がけましょう。
また、精神的につらい毎日を送っている場合は、一人で抱え込まないようにして、誰かに話を
してみて下さい。
ストレスと皮膚病−尋常性乾癬
【 尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)】
慢性の皮膚病で、やや盛り上がった赤い斑点と厚いふけが特徴です。症状には個人差があり、
遺伝的な要素もあるようです。一般的に、ステロイドホルモン入り外用剤で治療します。
原因はまだはっきりとわかっていませんが、ストレスで症状が悪化することが多々あるため、
ストレスはためないように心がけましょう。
ストレスの皮膚への負担
ストレスのある生活を続けていると、皮膚に様々な影響をもたらします。
●一時的な症状・・・皮膚のかゆみ/顔のほてり/全身、手足の発汗
※ストレスがなくなると自然に治ります。
●皮膚病・・・にきび/じんましん/尋常性乾癬/円形脱毛症
色素沈着
こすり洗いが原因で発生する褐色のしみです。ナイロン製タオル、スポンジ、麻タオル、へちまで
こすり洗いを続けている方は、すぐに使用をやめましょう。
このしみは、力が入りやすい鎖骨、首、腕、肋骨などによく見られます。また、色素沈着が起きている
部位は、皮膚が非常に敏感になっています。常になで洗いをするように心がけましょう。
乾燥炎皮膚炎
乾燥炎皮膚炎とは、加齢により老化した皮膚のこすり洗いが原因で、皮膚がかゆくなったり、ただれて
しまう炎症です。特に冬の皮膚が乾燥する時期に、起こります。
次の症状があらわれたら、注意しましょう。
●皮膚の表面が乾いて白っぽくなり、かさつく
●ストッキング使用時や布団の中で、かゆくなる
亀裂性皮膚炎
硬くなった足のかかとが、ひび割れて痛みが生じる肌荒れです。かかとには、軽石が多く使われている
ようですが、軽石は、硬い皮膚をさらに硬くしてしまう道具です。
軽石を使用すると、一旦皮膚はなめらかになるかもしれませんが、皮膚はこすられて刺激を受けている
ため、弾力性がなくなり、さらに硬化してしまうのです。
これは、かかとだけでなく、ひじやひざにも同じことが言えます。
こすり洗いは禁物
肌を洗う時に、強くこすりすぎると、皮膚に刺激を与え、肌荒れの原因となってしまいます。
また、洗いすぎて垢を落とすことは、肌にとっては良くないことです。
垢は、水分と皮脂が含まれていて皮膚の保湿効果の役目を果たしているからです。
垢は自然に体からはがれ落ちますので垢こすりなどで、無理に垢を取る必要はありません。
洗い方の注意点
入浴時、体の洗う時は、洗顔と同じように、手でやさしくなで洗いすることが大切です。
ナイロン製タオルやスポンジなどで、ごしごしこすり過ぎると、しみやしわができやすくなります。
洗い過ぎ(皮膚のこすり過ぎ)が原因で、起こる皮膚障害もあります。
また、垢こすりも、皮膚に多大な刺激を与え、傷つけてしまいます。
入浴剤の選び方
入浴剤は、香りを楽しむタイプや、肌荒れ防止タイプ等、様々な種類のものが販売されています。
スキンケアを目的として、使用する場合は「保湿効果」のあるものを選択しましょう。
また、ストレスは皮膚に悪影響を及ぼす時があります。疲れやストレスを感じる時は、リラックス効果を
高める入浴剤を使うのも良いでしょう。
肌に優しい入浴方法
入浴では、洗い方やお湯の温度により、皮膚の乾燥・老化を予防することができます。
1.石鹸や洗浄剤をよく泡だて、素手でなで洗いをします。
2.背中は手が届きませんので、綿タオルで軽くなで洗いをします。
3.湯船を使用する場合の、お湯の温度は、37度前後にします。
4.体を拭く時は、タオルをこすらずに体に当てるようにして、水分を吸収させます。
洗顔後のスキンケア
洗顔や入浴後の15分以内は、皮膚に水分が残っています。この時間内に、化粧水やクリームを
使用すると保湿効果が高まります。
特に冬の季節は、空気が乾燥しているので、洗顔や入浴後は、なるべく早くスキンケアをするように
心がけましょう。
夏の場合は、湿度が高いため、肌がつっぱる部分にのみ乳液や化粧水をつけても良いでしょう。
化粧水と乳液の選び方
洗顔後の皮膚は、どうしても細かい傷ができてしまいます。そのため、洗顔後に使用する化粧水や
乳液は、アルコール成分や消毒薬が含まれていないものを使いましょう。
皮膚が赤くなったり、ひりひりする場合は、使用をすぐにやめましょう。
なお、洗顔後すぐのお化粧は、特に肌に負担をかけることはないので、問題ありません。
両タイプの肌の洗顔方法
通常、多くの女性の肌は、脂性肌の部分と乾燥肌を持ち合わせているタイプがほとんどです。
そのため、それぞれの部位によって肌のタイプに合ったスキンケアをすると効果的です。
<洗顔例>
●全体的に軽く洗顔をした後に、Tゾーンなど脂漏部位を2度洗いする。
●お湯でしぼったタオルで脂漏部位の皮脂を取り除いた後に、全体を洗顔する。
乾燥肌の洗顔方法
乾燥肌の方は洗いすぎに注意しましょう。特に、就寝前や入浴時の洗顔は、以下の方法を
心がけましょう。
1.洗浄力が弱いタイプの洗顔料を使用する。
2.素手で優しくなで洗いして、ぬれたタオルで軽く当てるように水分をとる。
3.保湿効果のある化粧水やクリームを使用する。
また、一日における洗顔の回数や、洗顔料を使う回数も考慮しましょう。
脂性肌の洗顔方法
脂性肌の方は、洗顔料を使用した洗顔をこまめに行いましょう。
特に脂漏部位は、2度洗いをするなど、念入りなケアを心がけましょう。
【脂漏部位(しろうぶい)】・・・脂腺が集中しているため、皮脂の分泌が多い部分。
額/こめかみ/鼻/あご/耳まわり/眉毛など
イオン水について
イオン水と美肌の効果は、まだ明確には一切判明していません。
イオン水は、電気分解により作られるため、プラスイオン水(陽性水)とマイナスイオン水、もしくは
アルカリ水(陰極水)があります。
なお、アルカリイオン製水器は厚生省の公認を受け、一般販売されています。
ファンデーションの落とし方
ファンデーションは、油分が多く粘着性の高い化粧品です。落とす際は、クレンジングクリームを使用
します。オイルタイプは、刺激が強く肌荒れの原因となりますので、クリームタイプをおすすめします。
落とし方のポイントは、皮膚を優しくさする様にしてクリームとファンデーションをよくなじませ、
ぬるま湯で洗い流します。なじます時は、ゴシゴシこすらない様に気をつけましょう。
メーク落としの注意点
メーク落としでは、2つの注意点があります。
1 . 【メークを落とす際は、強くこすり過ぎないように、気をつけましょう】
皮膚をこすると、肌荒れや乾燥の原因となります。また、ふき取りコットンなどでこすってしまうと、
シミの原因にもなります。
2. 【クレンジングクリームの後は、洗顔料を使って洗顔しましょう】
洗顔は、ダブル洗顔が基本です。メーク落としを使用した後は、必ず洗顔料による洗顔が必要です。
肌にトラブルが起こった時
肌が弱かったり異常がある時に使用する洗顔料は、以下の表示があるものを選ぶように
心がけましょう。
●無香料
●敏感肌用/低刺激性
●弱脱脂力
また、洗顔時間が長いと肌に刺激を与えてしまいます。注意しましょう。
洗顔料で注意すること
洗顔料を使用して、洗い終わった後、以下の症状がなければ特に問題はないでしょう。
●つっぱり感がある
●ひりひりする
●皮膚が赤くなる
上記の症状や、何らかの肌の異常が見られた場合には、使用をすぐにやめましょう。
スクラブタイプの洗顔料
スクラブタイプの洗顔料は、皮膚の表面をこする力が強いため、高い洗浄力、洗顔後はさっぱりする
という特徴があります。
しかし、成分としては、果物の種や穀物を使用しているため、皮膚を傷つけてしまう可能性が
高くなります。
洗顔料の選び方
洗浄剤は、クリーム状の洗顔料から石鹸まで、自分の肌に合うものを選びましょう。
●脂性肌・・・洗浄力の強いものは、時に皮膚に刺激を与えることもあります。その場合は、
洗浄力の弱いタイプの洗浄剤で、2度洗いをしても良いでしょう。
●乾燥肌・・・洗浄力が弱いタイプのものを選びましょう。また、朝の洗顔はぬるま湯のみ、
夜は洗顔料を使用する、などして、洗顔料は1日1回にしても良いでしょう。
洗顔と洗顔料
洗顔の際は、必ずしも洗顔料が必要というわけではありません。
汗、ホコリ、垢などは、水やぬるま湯で落とす事が可能だからです。
しかし、皮脂と油分を含んだ化粧品を落とす場合には、洗顔料が必要になります。
洗顔料を使う時は、よく泡立てて優しくなで洗いをしましょう。
また、水よりはぬるま湯の方が汚れは落ちやすくなります。
石鹸の種類−3
<機械練り石鹸と枠練り石鹸>
●機械練り石鹸・・・乾燥させたニートソープを、一旦細かく砕き、再度機械で練り上げます。
この段階で色や香料を加えます。泡立ちが良く、溶けやすいという性質があります。
通常、市販されている石鹸は、機械練り石鹸です。
●枠練り石鹸・・・ニートソープを枠に入れて、冷やし固めたものです。泡立ちは、あまり良くなく
溶けにくい性質です。
※ニートソープ・・・水分30%含有の石ケン素地
石鹸の種類−2
<軟石鹸と硬石鹸>
石鹸は、使用するアルカリ剤によって硬さの違いが出ます。
●軟石鹸(K−石鹸)・・・水酸化カリウムが使用され、ペースト状の石鹸になります。
●硬石鹸(Na−石鹸)・・・水酸化ナトリウムが使用され、固形石鹸になります。
2005年09月05日
石鹸の種類−1
<植物油石鹸と動物脂石鹸>
石鹸の原料は、植物や動物の油です。油は1種類のみで使われたり、混合して使用されます。
【脂肪酸の種類】
●リノール酸・・・オリーブ油、ひまし油、やし油、羊脂、牛脂、ミンクオイルに含まれる
●オレイン酸/ステアリン酸
皮膚によい石鹸
石鹸は、高級脂肪酸のアルカリ塩です。 皮膚への刺激や影響の少ないものを使用しましょう。
● 刺激が少ない
● アレルギーの原因になる成分がない
● 洗浄力は強すぎず、必要な皮脂は残る
● 石鹸成分が皮膚に残らない
水の種類
水には、成分の違いで、いくつかの種類に分けられます。
水の種類と皮膚への影響は特にはありません。
●硬水・・・ミネラルを多く含む。泡が立ちにくい。
●軟水・・・カルシウム/イオン/マグネシウムを含まない。泡は立ちやすい。
●アルカリ水・・・カリウム/リチウム/カルシウム/ナトリウム/重炭酸塩を含む
●酸性水/普通水
ぬれたタオル
洗顔後、顔をふく際は、乾いたタオルよりも、「ぬれたタオル」が水をよく吸収します。
一度ぬらした後、よくしぼったタオルを使用しましょう。
また、ふき取る時は、顔をこすりつけない様に注意しましょう。
顔に軽く押し当てるのがポイントです。
正しい洗顔
皮膚のためには、肌に刺激を与えない洗顔が大切です。
<洗顔の基本>
1.ぬるま湯を使用し、皮膚の汚れを落とす。
2.石鹸や洗顔料を泡立てて、なで洗いする。
3.すすぎ洗いをする。
4.ぬれたタオルで、顔に軽く当てるように水分を取る。
お年寄りのスキンケア−保湿
入浴後は、保湿効果のある化粧水やクリームを全身に塗って、皮膚の乾燥を防止します。
入浴後15分以内のスキンケアは、皮膚が水分を含んでいるので、保湿効果が増大します。
特に、冬は湿度が低く、暖房による乾燥の影響も大きいので、
保湿スキンケアは念入りに行いましょう。
お年寄りのスキンケア−洗い方
お年寄りのスキンケアで、最も大事なことは、乾燥防止です。
そのため、洗顔・入浴の際の洗い方には十分な注意が必要です。また、老化した皮膚は薄くなるため、
強くこすると、内出血してあざができてしまいますので、注意しましょう。
●ナイロンタオルやスポンジなどによるこすり洗いはしないこと。
石鹸などの洗浄料を泡立ててやさしくなで洗いします。背中などは綿タオルで、優しくなで洗いします。
●熱いお湯は肌を乾燥させるので、お湯はぬるめ(38〜40度)にしましょう。
中年の方のスキンケア
中年以降になると、皮膚の老化が目立ってきます。
しかし、若い頃のスキンケア効果や生活環境により、老化には個人差があります。
肌を若返らせる方法はありませんので、老化を遅らせるスキンケアが必要です。
●皮膚を乾燥させない・・・こすり洗いはせずに、なで洗いをしましょう。
また、洗顔後は保湿剤やクリームを使うように心がけましょう。
●紫外線を浴びない・・・紫外線は皮膚の老化の最大の原因です。
スポーツや旅行の際は必ず紫外線対策をするようにしましょう。
若い方のスキンケア
若いうちから、老化・乾燥防止のためのスキンケアを始めることで、健康で美しい皮膚を保ちましょう。
<若い方に必要なスキンケア>
●洗浄料を使用した洗顔・・にきびや肌荒れ防止のため、顔や背中などの脂漏部位は念入りに洗う。
特に睡眠不足の時や生理前は、こまめに洗うよう心がけましょう。
●こすり洗いは禁物・・・こすり洗いは皮膚を乾燥させます。ナイロンタオルや軽石などの
刺激性のあるもので肌をこする事は控えましょう。また、垢こすりも皮膚を乾燥させます。
●紫外線対策・・・紫外線を浴びると、皮膚の老化を早めます。
出産後の皮膚の変化
出産直後、一時的に皮膚に変化があらわれます。
<出産後の皮膚の変化>
髪の毛が薄くなる/一時的に髪の毛が抜ける
なお、妊娠中・出産後に何らかの皮膚の変化があったとしても、
毎日のスキンケアの基本は欠かすことのないように気をつけましょう。
妊娠中の皮膚の変化−2
妊娠中は、皮膚の色にも変化が見られます。
<妊娠中の皮膚の色の変化>
おなかに黒い線が出る/ほくろやあざの色が濃くなる/乳首の色が黒ずむ/肝斑(かんぱん)ができる
●肝斑(かんぱん)・・・妊娠中によく見られるしみです。額やほお、こめかみ等、顔にできます。
プロゲステロン、エストロゲン等のホルモンが増加するために発生します。出産後、自然に治ります。
妊娠中の皮膚の変化−1
妊娠中は、皮膚に様々な変化が生じます。
それぞれ個人差はありますが、皮膚科での治療が必要な時もあるので、
変化があった場合には、医師に相談しましょう。
<妊娠中の皮膚の変化>
体温が上がり、汗をよくかく/皮膚がかゆくなる/毛と爪が早く伸びる/毛髪の抜ける量が減る/
おなかに妊娠線が出る/血管が太くなる/赤い湿疹(くも状血管腫)ができる/痔ができる/
静脈瘤がすねに出る
夏のスキンケア
夏は季節的には、湿気の多い時期ですが、ビル内の冷房によって、皮膚は乾燥しやすくなります。
また、汗で皮脂が顔に広がりやすくなるため、実際は乾燥肌でも、
脂性肌のように見えてしまいます。しかし、乾燥防止のスキンケアは必要です。
特に、すねや腕などは、脂腺が少ないため乾燥しやすい部位です。
垢こすりなどは禁物です。
冬のスキンケア
日本の四季は、夏と冬では温度、湿度が大きく異なります。
そのため、それぞれの季節に合ったスキンケアが必要になります。
冬は冷たい空気や、湿度の低下、またビル内の暖房で、皮膚が乾燥しやすくなります。
保湿剤やクリームを使用した皮膚の乾燥防止のスキンケアは欠かせません。
普段、脂性肌の方も、洗浄料を使った洗顔回数を減らすと良いでしょう。
こすり洗いと皮膚の老化
洗顔や入浴時には、ごしごしと力を入れてこすり洗いをする必要は全くありません。
垢こすりも、肌のためには良くありません。
こすり過ぎにより、垢を落としてしまうと、皮膚は乾燥しやすくなり、老化を早めてしまうのです。
皮膚の乾燥・老化を防ぐには、洗浄料を泡立てて、優しくなで洗いをしましょう。
垢について
垢は、一般的に「皮膚の汚れ」として考えられていますが、実際は、「皮膚に必要な成分」です。
垢は、皮膚の新陳代謝により生成された角質で、皮脂と水分を保つ役割があり、
皮膚を乾燥から守っているのです。
また、垢は、無理にこすり落とす必要はなく、自然に剥がれ落ちます。
皮膚の汚れ
スキンケアで大切なことは、「皮膚を清潔な状態に保つこと」ですが、皮膚の汚れには、
「水やぬるま湯で落ちる汚れ」と「石鹸などの洗浄料で落ちる汚れ」と2つのタイプがあります。
●水やぬるま湯で落ちる汚れ・・・空気中のホコリ・ごみ/古い角質(垢)/汗
●石鹸などの洗浄料で落ちる汚れ・・・皮脂/油性化粧品
2005年09月04日
水脂溶性ビタミンと働き−ビタミンC
ビタミンCは、しみ取りの効果があります。
1日の必要量・・・ 50〜60mg
主な働き・・・コラーゲンの生成、血管の増生、メラニン色素の生成を抑える
主な食品・・・柑橘類、イチゴ、緑黄色野菜類、いも類
欠乏症 ・・・壊血病、貧血、歯周病
水溶性ビタミンと働き−ビタミンB12
1日の必要量・・・ 5μg
主な働き・・・貧血の予防、神経系の働きを調える
主な食品・・・レバー、牛乳
欠乏症 ・・・悪性貧血、食欲不振、消化不良
水脂溶性ビタミンと働き−ビタミンB6
ビタミンB6は、にきびや肌荒れを改善します。また、肌のアレルギー症状も軽減します。
1日の必要量・・・1.5〜2mg
主な働き・・・たんぱく質、アミノ酸、脂質の代謝、皮膚や粘膜の健康維持
主な食品・・・まぐろ、鮭、鶏肉
欠乏症 ・・・口内炎、皮膚炎、神経過敏症、不眠症
水溶性ビタミンと働き−ビタミンB2
ビタミンB2は、肌荒れやにきびに効果があります。
1日の必要量・・・1.1〜1.4mg
主な働き・・・皮膚や目の健康維持、糖質・脂質の代謝
主な食品・・・レバー、卵、緑黄色野菜、牛乳、ナッツ類
欠乏症 ・・・ 角膜炎、口内炎、皮膚や粘膜の炎症
水溶性ビタミンと働き−ビタミンB1
1日の必要量・・・ 1.0〜1.3mg
主な働き・・・糖質の代謝、神経系、心臓の機能保持、便秘の緩和
主な食品・・・豚肉、麦、豆類、ごま
欠乏症 ・・・かっけ、食欲不振、胃腸障害、イライラする
脂溶性ビタミンと働き−ビタミンK
1日の必要量・・・ 0.2mg
主な働き・・・血液を擬固する
主な食品・・・緑黄色野菜、納豆、レバー
欠乏症 ・・・ 出血時に血が止まりにくくなる
脂溶性ビタミンと働き−ビタミンE
ビタミンEは、しみ予防の効果があります。
1日の必要量・・・ 15IU
主な働き・・・血行がよくなり、コレステロールを抑える。貧血防止
主な食品・・・ナッツ類、緑黄色野菜、胚芽米、大豆
欠乏症 ・・・シミができやすくなる、血液障害、貧血
脂溶性ビタミンと働き−ビタミンD
1日の必要量・・・ 400IU
主な働き・・・カルシウムを吸収しやすくし、歯や骨を作る。
主な食品・・・干し椎茸、煮干し、かつお、マグロ、牛乳
欠乏症 ・・・くる病、骨そしょう症、虫歯
脂溶性ビタミンと働き−ビタミンA
脂溶性ビタミンの中では特に、ビタミンAが皮膚の健康に大きく関係します。
1日の必要量・・・ 2000IU(牛乳200gに220IU、卵1個に320IU)
主な働き・・・皮膚、粘膜、網膜細胞の維持と再生、暗い場所での視力
主な食品・・・レバー、緑黄色野菜、牛乳、卵黄
欠乏症 ・・・夜盲症、消化・呼吸器の抵抗力の低下、皮膚のかさつき
スキンケアと栄養素
スキンケアには、バランスの取れた食事を取ることが大切です。
ビタミン、ミネラル、炭水化物、たんぱく質、脂肪は、健康な皮膚の維持や代謝に欠かせません。
ダイエットなどで、偏った食事生活を送っていると、皮膚のトラブルが起きやすくなります。
また、食べ過ぎは、全ての栄養をとっているとは言い切れません。 適度な量で、全ての栄養素が
含まれるバランスのとれた食生活が大事なのです。
普通肌のスキンケア
普通肌の場合、乾燥肌の部分と脂性肌の部分を持ち合わせている場合が多く見られます。
そのため、それぞれの箇所に乾燥肌、脂性肌に適したスキンケアが必要になってきますが、
基本的には、「皮膚を清潔に保つこと」、「水分を補給し油分とのバランスをとること」が大切です。
乾燥肌の原因と予防
乾燥肌の一番の原因は、「皮膚の表面の水分不足」です。
不足した水分を補うためには、皮膚に適した洗い方、入浴回数、お湯の温度、保湿剤を
見つけましょう。 保湿剤には、皮膚の水分が蒸発することを抑える働きがあります。
また、乾燥肌は洗いすぎも禁物です。
皮脂や垢には、皮膚の乾燥を防止する大切な役割があるからです。
乾燥肌のスキンケア
皮膚に、はりや潤い、なめらかさがなく、小じわが多い肌は、下記のスキンケアを心がけましょう。
●朝の洗顔時は、洗顔料を使わず、ぬるま湯のみで洗う。
●洗顔料の使用は、入浴時、もしくは寝る前のみにする。
●洗顔方法は、洗顔料を泡立て、素手でなで洗いする。
●ナイロン性ブラシやタオルなど、刺激の強いものは使わない。
●洗顔料は、洗浄力の弱いものを選ぶ
●洗顔後には、必ず保湿剤を使用する。夜はクリームを使用すると良い。
●アルコール入りのローションは、使わない。(必要な皮脂を落としてしまうため。)
脂性肌と原因
「脂性肌」は、皮脂の脂腺が発達して大きくなり、皮脂の分泌が盛んに行われます。
特に夏場は、汗で皮脂が広がり、肌のべたつき、てかりが目立ちます。
脂腺が多く、皮脂の分泌量が多い箇所を「脂漏部位(しろうぶい)」と言います。
<主な脂漏部位>
顔のTゾーン(鼻、額、まゆ)、あご、まゆ毛、耳まわり、背中、胸、わきの下、下腹部とおへそ、
外陰部、乳首のまわり
脂性肌のスキンケア
皮膚がいつも脂っこく、てかりやべたつきのある場合、下記のスキンケアを心がけましょう。
●洗顔は、必ず洗顔料を使用し、最低1日2回、もしくは3回行う。
●さっぱりタイプの化粧品を使用する。
●油とり紙や、ティッシュペーパーなどで、こまめに皮脂を取り除く。
皮膚と紫外線の反応
皮膚は、紫外線の反応に基づき4つのタイプに分かれます。
日本人はV型とW型のタイプと言われています。
<皮膚のタイプ>
T型・・・皮膚が赤くなるだけで、黒くならない
U型・・・皮膚は赤くなり、少し黒く日焼けする
V型・・・皮膚が赤くなる時と、黒くなる時がある
W型・・・皮膚が赤くなる事はなく、必ず黒くなる
皮膚の色とメラニン
皮膚の色は、人種や遺伝により、個人差があります。
皮膚のメラニンの量や大きさが、様々な違いを生じるのです。
また、紫外線の影響で皮膚内の色素細胞が活発化し、メラニンが生成されると肌の色は黒くなります。
紫外線に当たらなくなると、色素細胞はメラニンを作らなくなり、すでにあるメラニンは古い角質とともに
垢となって自然に剥がれ落ちます。
色白の方のスキンケア
生まれつき色白の方は、紫外線を浴びない心がけを持つことが大切です。
紫外線により皮膚の老化をはじめ、皮膚ガンの原因にもなるからです。
なお、色白かどうかは、お尻の皮膚の色を見て判断できます。
また、色黒の方は、紫外線への抵抗力があるため、色白の方ほど神経質になることはありません。
適切なスキンケア
皮膚は様々な環境や状態により、個人差があります。
また、乾燥肌、脂性肌、普通肌の3種類に分けられます。自分に最も適したスキンケア方法を行いましょう。
<皮膚の状態に影響や違いが出る原因>
年齢/体調/自然環境(温度、紫外線量、湿度)/スキンケア方法/性/化粧品/女性の場合は生理
スキンケアへの取り組み
スキンケアを正しく行うためには、「皮膚のしくみや働きを知ること」、
「皮膚に刺激を与えずに皮膚の健康な状態を保つこと」が大切です。
正しいスキンケアを行うことにより、皮膚の老化は遅らせることができます。
しかしながら、皮膚を若返らせることはできません。
スキンケアの基本
素肌の美しさと健康を保つために大切なのは、スキンケアを怠らないことです。
<スキンケアの基本>
●紫外線を浴びない
●皮膚を清潔に保つ
●皮膚の水分を保つための保湿成分、油分を補う
RetinAクリームの効果
現状では、効果の持続性はなく、クリームを使用している間だけに効き目はあります。
そのため、使用しなくなると、皮膚は元の状態に戻ってしまいます。
<RetinAクリームの効果>
1.紫外線によってできたしみを目立たなくする。
2.しわを目立たなくする。
3.皮膚の血液の循環を良くする。
4.老化により薄くなった皮膚を元に戻す。
RetinAクリーム
RetinAクリームは、アメリカでにきび専用薬として使用されていましたが、
しみやしわ取りの効果があることが判明しています。
しかし、副作用については未確認状態です。 そのため、アメリカではしわ取り専用クリームとして
使用する許可は出されていません。日本での販売は未定です。
エストロゲンと副作用
エストロゲンを使用した際に見られる副作用には、クリームを塗ることによるかぶれや刺激感が
あります。 また、体内に吸収され子宮ガンが起こりやすくなる可能性があります。
高い濃度のエストロゲンを長時間使用すると、子宮ガンになりやすいのですが、
現在販売されている化粧品のエストロゲンは、薬事法により少量に制限されています。
エストロゲンの効果
エストロゲン入りのクリームは、乾燥が原因でできる、浅く細かいしわに効果があります。
しかしながら、皮膚の老化によるしわ、皮下脂肪の減少でできるしわには、効果が見られません。
また、エストロゲンが含まれていない保湿剤を使った場合の効果との違いも、
明確には判明していません。
エストロゲン入りのクリーム
エストロゲンとは、女性の卵巣、胎盤、副腎、また男性の精巣で生成され、
骨の発育も助けるホルモンです。
このエストロゲン入りのクリームは、皮膚の代謝を活発化させ、みずみずしい肌にする効果があるという
報告があります。
また、日本薬事法でも化粧品配合が可能な特殊成分(エストラジオール、エチニルエストラジオール、
エストロン)として認められています。
額のしわ取り手術
額のしわは、「眉間のしわ」と、「眉に平行して出来る横じわ」があります。
手術ではメスを使用するため直接麻酔をします。また、時には入院が必要になることもあります。
●眉間のしわの手術・・・しわのある部分の皮膚を切り取り、縫い縮めます。
●横じわの手術・・・・・・・しわがある箇所の髪の生え際を切り取り、縫い縮めます。
そのため、傷跡は目立ちません。
しわと皮膚病
目じりなど目の周りに出来る浅く細かいしわは、乾燥によるものと、
皮膚病(接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎)によって出来るものがあります。
皮膚病の場合、内服療法・外用療法で、皮膚炎を治療することにより、しわを減らすことが出来ます。
笑った時や話す時にできる表情じわは、年を重ねるごとに深くなるため、しわを取るには
手術が必要です。
マッサージの注意点
素肌のままマッサージすると、こすりすぎにより皮膚が荒れてしまいます。
そのため、マッサージ専用のオイルやクリームの使用をおすすめします。
また、筋肉の動きと垂直に出来る「表情じわ」のマッサージをする際は、しわの方向に注意しましょう。
○表情じわに平行してマッサージしましょう。
○しわに垂直方向にマッサージすると、逆にしわが目立ちますので、気をつけましょう。
マッサージの効果
マッサージにより、しわを取ることは出来ません。 また、しわ予防の効果もありません。
<マッサージの効果>
1.皮膚の血行が良くなるため、肌の色がきれいになる。
2.精神的な疲れが取れて、リラックス効果がある。
3.マッサージで使用する保湿クリームにより、肌がしっとりとする。
しわとパッティング効果
パッティングは、しわ予防やしわ取りに直接的な効果はありません。
<パッティングの効果>
1.血液の循環がよくなり、肌の色が良くなります。
2.パッティング時に使用する保湿剤やクリームが、皮膚に潤いを与えます。
※いずれも一時的な効果です。
紫外線からの予防
紫外線は、しわを作る最も大きな原因となります。
肌のハリや弾力をつくる皮膚の線維を変質させ、老化を早めてしまうからです。
紫外線予防には、サンスクリーン剤、日傘、帽子、サングラスなどを使用して、
直射日光に当たらないようにする注意が必要です。
また、紫外線は、朝10時から午後の2時までの間に、最も多く降り注いでいるので、
外出の際は、紫外線対策を心がけるようにしましょう。
手の小じわ
手に出来る小じわの原因は下記3点ですが、乾燥や手荒れによる小じわはお手入れにより
取ることができます。
<手の小じわの原因>
1.加齢で、皮膚が薄くなることにより発生するしわ
2.紫外線の影響で、皮膚のハリを作っている線維が変質して出来るしわ
3.皮下脂肪の減少 → 太っている人は手のしわは出来にくい。
しわ取りの専門医
しわ取り手術を希望する場合は、皮膚外科、形成外科、美容外科などで行われ、手術の方法は
様々です。
皮膚のたるみが原因でできる、あご、頬、額のしわは、専門医による手術によって取ることは
可能ですので、医師と相談しながら決めましょう。
しかしながら、健康保険は使用できません。
しわが出来やすい方−2
しわは、それぞれの生活習慣でも、違いが発生します。
●スキンケア・・・日常のスキンケアで、洗いすぎたりこすりすぎたりすると、
皮膚は乾燥してしわができやすくなります。
●ダイエット・・・無理なダイエットで急にやせると、ハリを作っている皮下脂肪がなくなり、
皮膚のたるみやしわの原因となります。
●表現じわ・・・喜怒哀楽にて出来るしわは、表現豊かな証拠で、とても魅力的なしわです。
しわが出来やすい方−1
しわには、体質的な個人差や生活環境により違いがあります。
●色白の方・・・日光に当たると皮膚が赤くなる色白の方は、紫外線の影響で皮膚の老化は早く、
しわができやすい傾向にあります。
●生活環境・・・紫外線の多い地域では、皮膚の老化・障害の発生が高くなります。
子供時代に浴びる紫外線量は大人になってから、大きく影響します。
しわとお化粧
お化粧は、直接しわの原因とはなりません。
お化粧は、紫外線を反射し吸収するので、しわ予防の1つになります。
しかし、皮膚に合わない化粧品により肌荒れを起こし、しわが出来る場合があります。
また、洗顔時の洗いすぎにより、皮膚が乾燥して、しわの原因となることがあります。
弾力とはりの減少
皮膚のハリや弾力を保持している「弾力線維」と「膠原(こうげん)線維」は、紫外線を浴びることにより、
それぞれ変質してしまいます。そのため、ハリと弾力は失われ、しわが出来てしまうのです。
なお、黄色人種である日本人は、白色人種ほど、紫外線の影響を受けることはありませんが、
それでも皮膚の老化防止に紫外線対策は欠かせません。
弾力とはり
皮膚の真皮の主な成分に、「弾力線維」と「膠原(こうげん)線維」があります。
これらは、みずみずしいハリのある皮膚を構成する線維です。
●弾力線維・・・ゴムのように伸縮する性質があります。
●膠原(こうげん)線維・・・主成分はコラーゲンで構成されており、真皮の80%程を占めます。
小じわの予防
小じわの原因は、皮膚の乾燥によるものです。
乾燥を防ぐためには、「保湿剤の利用」と、「洗顔時にこすり洗いをしないこと」を心がけましょう。
また、紫外線に当たらないことも、小じわ予防にとても大切なことです。紫外線は子供の頃から
浴びているため、大人になってからの紫外線予防はとても重要になってきます。
急な体重減少で皮下脂肪が減り発生したしわは、再度太ることで目立たなくなります。
なお、笑う時や話す時などの筋肉でできる表現じわは、美しいしわです。
しわと紫外線
しわを予防する最も大事なことは、「紫外線を浴びないこと」です。
サンスクリーン剤、日傘、サングラス、帽子、衣服などを使用して、直射日光が肌に当たらない工夫が
必要です。
また、しわの80%以上は、紫外線による皮膚の老化が原因であるとの報告もあります。
しわの原因
通常、しわは加齢によりあらわれ、個人差もありますが、具体的な原因は4点あげられます。
<しわの原因>
1.感情表現からの筋肉の動き
2.皮膚の乾燥
3.皮下脂肪組織の減少
4.真皮の弾力線維の変化
へこんだ瘢痕(はんこん)
にきびが治った後、皮膚がへこんだ瘢痕を、「陥凹性瘢痕(かんおうせいはんこん)」と言います。
治療法としては、やすりで皮膚の表面を削る/へこみを切り取り縫い縮める/人口膠原線維を
注入する、などがあります。現在、口膠原線維による治療は、健康保険が使えない上、効果も長続き
しません。
●人口膠原線維(じんこうこうげんせんい)・・・膠原線維は皮膚の真皮成分の一つです。
人工的に作られた膠原線維を注入するとへこんだ部分が盛り上がります。
盛り上がった瘢痕(はんこん)
化膿したにきび跡で皮膚が盛り上がった瘢痕を、「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」と言います。
テープ剤やステロイドホルモン剤の塗り薬、注射を使用した治療、また手術で切り取ることもあります。
●テープ剤・・・粘着部に薬剤が含まれているテープです。ステロイドホルモン入りや魚の目用の
スピール剤が使用されます。
2005年09月03日
にきび跡の種類
にきびのあとには、いくつかの種類があり、治療法もそれぞれ異なります。
●しみ・・・色素沈着による茶色のしみです。平らなため肌の凹凸はありません。
特別な治療はしなくても自然に消えていきます。
●赤斑(こうはん)・・・赤みをおびた斑点です。化膿したにきびが治った直後に見られ、自然に治るか、
しみとなって残ります。
●瘢痕(はんこん)・・・化膿したにきびのあとです。平らな瘢痕は、数年で自然に治ります。
成人型にきびと卵巣のうしゅ
成人型にきびが出来やすい場合、「卵巣のうしゅ」の可能性も考えられます。
●卵巣のうしゅ・・・良性の腫瘍で、卵巣に袋状のしこりが出来ます。
種類はいくつかありますが、中には男性ホルモンを生成するものもあります。
治療法としては手術による摘出がほとんどです。
成人型にきび
大人になってから出始めるにきびや、思春期の頃から継続しているにきびの事を、
「成人型にきび」と言います。
成人型にきびができる原因は、思春期時のホルモンとは異なり、生理やお化粧と大きく関わって
きます。
成人型にきびが出来やすい人には、「卵巣のうしゅ」という病気が発見されることがあります。
にきびとお化粧−2
にきびがある場合、油性のファンデーションの使用は控えましょう。
油性のファンデーションは、毛穴をふさいでしまうため、にきびはさらに出来やすくなります。
また、洗顔時にこすられたにきびは、ただれてしまう事もよくあります。
にきびの悪化を防ぐためには、パウダータイプや乳化タイプ使用をおすすめします。
にきびとお化粧−1
通常、にきびがある時のお化粧は問題はありませんが、注意が必要なお化粧用品はあります。
【アルコールの入ったローションは注意】
赤く炎症を起こしているにきびは、アルコールの刺激により、さらに赤くなったり痛みが
増したりするので、使用は控えましょう。
洗顔の回数
にきびの予防ならびに治療には、洗顔は欠かせません。
1日最低2回、もしくは3回の洗顔が必要です。朝、帰宅時や入浴時、寝る前の3回が理想的です。
お化粧をしている女性の場合は、帰宅時には化粧を落として 清潔な肌を保つよう心がけましょう。
洗う時は、洗顔料を泡立てて、こすり洗いではなく「なで洗い」をします。また、市販の洗顔料は
特に差はないため、「洗う回数」と「洗い方」に重点をおきましょう。
にきびには触らない
通常、にきびは放置しておけば、そのまま自然に消えていきます。
しかし、中身をしぼり出したり潰したりしますと、炎症を起こしたり、皮膚の中で内出血が起こることも
あります。
こうした刺激を与えると、にきびの治癒は遅れ、また治った跡もしみとなって残ったり、
肌に凹凸が出来てしまいます。
医師によるにきび治療法− 黒にきび
黒にきびには、「面疱(めんぽう)圧出」という治療法があります。
●黒にきび・・・毛包に皮脂や古い角質などが詰まり毛穴から排出されず、また、
毛穴がふさがっていないために、黒い点のように見える。
医師によるにきび治療法−内服薬
にきび治療の内服薬としては、ミノマイシン/ルリッド/ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCを
処方します。ビタミンB2、B6はビタミン皮脂の分泌を抑えるためのものです。
通常、朝、夜の食事の後に服用します。
また、定期的な血液検査や尿検査で体内への副作用の有無を確認します。
●ミノマイシン・・・炎症をおこす細菌の働きを抑制します。
●ルリッド・・・にきび炎症の原因である細菌だけでなく、細菌よりやや小型の微生物の発育も抑えます。
医師によるにきび治療法−塗り薬
にきび治療の外用薬は、トレチノイン、ダラシンローション/ダラシンゲル/アクアチウムを使用します。
その他にも、抗生物質入り外用剤/硫黄入りローション/非ステロイド系消炎外用剤などがあります。
いずれも、洗顔後に使用して、すりこまずに肌にのせるようにして使います。
医師によるにきび治療法−洗顔
皮膚科では、洗顔料を使用した詳しい洗顔方法を指導します。
洗顔料は通常患者が使用しているものを用います。
<ポイント>
●1日3回は洗顔します。 朝、帰宅時、入浴時もしくは就寝前。
●にきび部分は2度洗いをする
●洗顔料や石鹸をよく泡だてて、素手でなで洗いする
皮膚科での治療法
皮膚科医がにきびを治療する場合は、いくつかの治療法を順番に行い、様子を見ていきます。
【1】 洗顔とぬり薬による治療を3ヶ月 → 【2】 ビタミンB2、B6、Cの服用を3ヶ月
→【3】 抗生物質か漢方薬の服用
必ずしも、上記の期間を要するわけではなく、にきびの症状や患者の希望をくみながら
治療していきます。
化膿したにきび−2
にきびが化膿した場合には、皮膚科医に相談し適切な処置をすることが大切です。
<医師による治療法>
●化膿している部分を切開し、中の膿を取り出します。
早めの治療により、にきび跡もできにくくなります。
●抗生物質を使用します。4日から1週間ほど服用します。
●手術で粉瘤(ふんりゅう)を取り除きます。
【粉瘤】・・皮膚の中で古い角質がたまったしこりのことを言います。
化膿したにきび−1
にきびが大きくなり化膿した場合、自分で中身をしぼり出すことは絶対にやめましょう。
化膿したにきびを潰すと、化膿の原因である細菌がまわりに広がり、広い範囲で皮膚に炎症や
ただれが起きてしまいます。 また、炎症が長引くと皮膚に跡が残ってしまいます。
にきびが悪化した場合には、皮膚科医に相談することをおすすめします。
市販のにきび専用薬
市販のにきび専用薬は、安全性に重点がおかれています。そのため、濃度が低く効き目はあまり
ありません。 しかし、強い刺激などによる大きなトラブルをさけることはできます。
市販薬を使用しても、にきびが治らない場合には、皮膚科で相談して、適切な薬を処方してもらう事が
大切です。
にきびの予防と治療−抗生物質
抗生物質はにきびの働きを抑える役割があります。しかし、長期間にわたり服用することが多いため、
定期的に血液検査を行い副作用の注意が必要です。
<にきび治療に用いる抗生物質>
テトラサイクリン/ミノサイクリン
にきびの予防と治療−漢方薬
にきびの症状や体調により、使用する漢方薬は異なります。
医師や薬局で相談して適切な薬を使用しましょう。
<にきび治療に用いる漢方薬>
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょとう)/十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう) など。
にきびの予防と治療−塗り薬
にきび専用の塗り薬は、いくつか種類があります。使用方法は皮膚にすりこむのではなく、
のせる様にして使います。
<にきび用塗り薬>
抗生物質入り外用剤/硫黄入りローション/非ステロイド系消炎外用剤
にきびの予防と治療−ビタミン剤
にきび予防には「ビタミンB2」と「ビタミンB6」が効果があります。
ビタミンB2が不足すると、脂質の代謝や皮膚を健康に保つ機能が低下します。
また、細菌に対する抵抗力も低下するため、にきびができやすくなります。
ビタミンB6が不足すると、皮膚の代謝が衰えることにより、古い角質の除去も低下し、
毛穴が詰まってしまいます。
にきびの予防と治療−洗顔
にきびを予防するには、最低1日2回は洗顔をして皮膚を清潔に保つことが大切です。
石鹸や洗顔料を使用し、肌を優しくなでるようにして洗いましょう。ごしごし強くこすり洗いをしますと、
肌に刺激を与えてしまいますし、かさついた皮膚になってしまいます。
なお、ほこり、汗、古い角質は、ぬるま湯だけで落とすことが出来ます。
にきびの増加と消去
にきびは思春期になると、男性だけでなく女性も男性ホルモンが増加します。
皮脂を出す脂腺が急速に発達して皮脂の分泌が盛んになり、皮脂はべとつき、脂っぽい状態と
なります。その際、毛穴が角質によってふさがれ皮脂が詰まり、その中でにきび菌が活発化してしまう
事により、にきびは生成されます。
なお、にきびは年齢を重ねるごとに減少します。発達した脂腺が縮小し、皮脂の分泌量が
減るからです。
にきびを予防するために
にきびは日常生活も大きく関係します。
<日常生活で気をつける事>
●皮膚を清潔に保つ・・・・・ 1日2回は洗顔をして、毛穴をきれいにすることにより皮脂詰まりを
防止します。
●皮膚への刺激を避ける・・・髪が触れる/こすり洗いをしている/顔をよく触る等、
皮膚を刺激すると毛穴がふさがれてしまいます。
●睡眠をしっかり取る・・・・・睡眠不足の生活を続けると、皮膚がべたつき、毛穴に皮脂が
たまりやすくなります。
にきびの種類
にきびには、いくつかの種類があります。
●黒にきび・・・毛穴の中の角質や皮脂が黒ずんでいるもの。
外側から押すと、詰まった角質や皮脂が出てくる。
●白にきび・・・毛穴に詰まった角質や皮脂が、表皮から黄白く 盛り上がって出来る。
●赤にきび・・・黒にきび、白にきびが炎症を起こし、膿んだり、ただれたりする。
にきびの発生の違い
にきびの発生には、それぞれの環境や体質により個人差があります。
<にきび症状に違いが出る要因>
食生活/生活環境/生活様式/男性ホルモン増加の時期/スキンケアの方法/遺伝など
これらの違いで、にきびの発生時期や種類の差が出てきます。
にきびが出来る場所
にきびは、顔、背中、胸、頭などに出来ます。特に顔には皮脂を生成する脂腺が集中しているため、
とても出来やすくなっています。
顔におけるTゾーン、胸と背中におけるVゾーンは、「脂漏部位」といい、
うぶ毛が生えている・大きな脂腺が沢山集まっている、という特徴があります。
にきびの原因と過程
にきびは、毛穴の中に皮脂がつまり、にきび細菌が活発化することにより発生します。
<にきびが出来るまで>
【1】 10代になり男性ホルモンが増加
【2】皮脂を出す脂腺が活発化(肌がべたつくようになる)
【3】古い角質で毛穴がふさがれ、皮脂がたまる
【4】 にきび細菌が活発化することにより皮脂が分解されて炎症をおこす
しみ取りの方法
しみを取るには、種類によって様々な方法があります。同時に紫外線を浴びない心がけも必要です。
●発疹後色素沈着・・・肌荒れが治った後、症状の再発/繰り返しを起こさなければ 自然に消えます。
●こすり色素沈着・・・洗い方は「なで洗い」に変え、「こすり洗い」はやめます。しみは自然消去します。
●肝斑・・・通常、出産後、次第に消えていきますが、紫外線防止は大切です。
●老人斑/脂漏性角化症/日光角化症・・・電気凝固療法/手術療法/液体窒素凍結療法 により
治療します。
2005年09月01日
口のまわりのしみ
食物、口紅、唾液などが原因で、皮膚のかぶれ、腫れ、かゆみの症状がでる「接触皮膚炎」と
呼ばれる症状があります。治った後に残るしみは、通常自然に消えますが、皮膚炎が再発し症状を
繰り返すとしみは取れなくなってしまいます。
治療法としては、紫外線防止、ビタミンC、SH製剤の摂取などがあります。
しみの治療法
しみの中でも、日光角化症、老人斑、脂漏性角化症は、治療が可能です。
●電気凝固療法・・・熱によりしみを焼き取る治療法。しみはすぐに消去されますが、火傷と同じ症状で
1週間程は痛みがあります。
●手術療法・・・・・・・メスでしみを切り取る治療法。切除したしみを検査することにより、 ガンかどうかの確認も可能です。
●液体窒素凍結療法・・・しみを凍結させる治療法。
しみは2週間ほどで、かさぶたとなって剥がれ落ちます。
●レーザー光線療法・・・レーザー熱でしみを分解する治療法。健康保険の使用は不可です。
しみと遺伝
しみには遺伝性のものがあります。しかし、いずれも日光に含まれる紫外線との関係が大きいので、
紫外線予防に注意することにより、しみの生成を防ぐことは可能です。
<遺伝性のあるしみ>
●日光角化症・・・紫外線の影響を受けやすい手の甲や顔に出来る皮膚腫瘍の一種。
●脂漏性角化症・・・皮膚の老化によりおきる皮膚腫瘍の一種。皮膚が盛り上がったり、しこりが
出来たりする。
ステロイドホルモン外用剤と副作用
ステロイドホルモン外用剤の副作用には、様々な皮膚症状が現れます。
何らかの皮膚の異常が現れた際には、なるべく早く医師に相談しましょう。
<ステロイドホルモン外用剤による副作用>
アレルギー性接触皮膚炎/にきび/緑内障/口囲皮膚炎/色素脱失/皮膚萎縮・皮膚線条/
創傷治癒遅滞/紫斑・血管拡張/多毛/汗疹・毛包炎
ぬり薬としみ
通常、ぬり薬が原因でしみになることは、考えにくいと言われています。しかし、炎症などの肌荒れに
より、表皮の色素細胞が活発化してメラニンが生成されると皮膚が黒ずんでしまいます。
また、肌荒れが続くとメラニンが真皮にまで生成されると、しみとなって残ってしまいます。
しみを消去するためには、肌荒れを早く治し、繰り返さないことが大切です。
内服薬としみ治療
「発疹後色素沈着」と「肝斑」は、内服薬を服用することにより、消去できる可能性はあります。
成分としてはビタミンCやSH製剤があり、過酸化脂質という有害な物質の生成を抑える効果が
あります。しかし、シミ治療としての効果は、現状では明確には判明していません。
【SH製剤】・・・SH酵素を保護する薬剤。真皮にたまったメラニンの処理を促進することにより、
しみの色素を薄くする。
内服薬としみの関係
内服薬はしみの原因となることがあります。
にきび治療に用いられる「ミノサイクリン」という抗生物質は、最近、しみの生成成分として注目されて
います。また、抗がん剤が原因で、しみや色素沈着が起こることがありますが、実例はわずかです。
内服薬の使用中、しみの発生が気になる場合は、医師に相談しましょう。
シミ取り化粧品
現在、生産・販売されているシミ取り化粧品は、完全にシミを消去する効果があるとは
言い切れません。
シミ取り化粧品の成分としては、ビタミンC、アルブチン、コウジ酸があります。
これらの成分はメラニン生成の抑制を助けると言われていますが、急速にシミが消去されることはなく、
シミ取り効果は明確には判明されていません。
2005年08月31日
しみの予防法
「紫外線を浴びないこと」が、全てのしみの最大の予防法です。
また、しみの種類により、それぞれの予防法もあります。
●発疹後色素沈着 ・・・肌荒れを治して、繰り返さないようにする
●肝斑 ・・・紫外線を浴びない
●日光角化症/老人斑/脂漏性角化症 ・・・紫外線を浴びない、子供の時の紫外線対策を心がける。
●こすり色素沈着 ・・・洗顔や入浴時に、ゴシゴシこすり洗いをしない。
日光角化症と皮膚ガン
日光角化症は早期ガンであるため、進行すると悪性度の高い皮膚がん(有棘細胞がん)に
移行します。また、有棘細胞ガンの23%は、日光角化症から進行したものであるという報告もあります。
全ての日光角化症が、有棘細胞ガンに発展したり、転移するわけではありません。
しかし、老人斑などのしみと見間違えることもあるので、気になるしみがある場合には皮膚科で
相談すると良いでしょう。
しみの種類−日光角化症
長い年月にわたり紫外線を浴びることにより生成される皮膚腫瘍です。紫外線が当たりやすい顔や
手の甲などに発生します。
最初、しみの様に見えていたものが、急に変色したり皮膚が盛り上がってきた場合には、なるべく早く
皮膚科で相談することが必要です。
しみの種類−発疹後色素沈着
ニキビ、発疹、肌荒れなど炎症が治ったあとにできるシミです。炎症が治るとシミは消えますが、
そのためには、肌荒れを繰り返さないようにすることが大切です。
いったん、発疹後色素沈着をおこした皮膚は過敏になっているため、肌荒れが繰り返されることが
よくあります。そのため、シミの消去には時間を要することもあります。
また、ホルモン剤入り外用剤の副作用と間違われる事があり、十分注意する必要があります。
しみの種類−こすり色素沈着
ナイロン性ブラシやタオルで、強くこすり洗いを続けると出来るしみです。
皮膚はこすられることにより、表皮や真皮にメラニンが生成され、肌が黒ずんでしまいます。
また、骨がすぐ下にある皮膚(おでこ、頬骨の箇所、鎖骨、肋骨)は、こすりすぎないよう
心がけるようにしましょう。
しみの種類−老人斑・脂漏性角化症
●老人斑・・・ほぼ円形で顔全体に見られる平らで茶色のしみです。
顔の他、手足、腕、すね等に出来やすく、紫外線の刺激を受けることによって、
より濃くなっていきます。
●脂漏性角化症・・・皮膚が盛り上がった状態になったり、しこりになったりする皮膚腫瘍の一種です。
脂漏性疣贅(しろうせいゆうぜい)とも言われます。
しみの種類−肝斑
頬、眼の下、鼻の上等に現れるしみです。
紫外線等の刺激により色素細胞が、活発化して、皮膚が黒くなります。
妊娠がすると顔に出てくる場合が多く、出産後は良くなります。また、妊娠とは関係なく成人女性に
多く見られます。
レモンパックについて
レモンパックによるシミ取り効果は、医学的、化学的には証明されていません。
ビタミンCは、摂取するとシミを薄くする効果がありますが、レモンパックによりシミが消去されることは
考えにくいとされています。
また、レモンに含まれるクエン酸には、漂白の効果がありますが、クエン酸の濃度が高いと、肌が
ひりひりしたり、赤くなり、しみが目立つ場合があります。
くすみについて
くすみとは、皮膚の透明感がなく、肌の血行がよくない黒ずんだ状態のことをいいます。
新陳代謝が活発な若いうちは、約1ヶ月ごとに新しい皮膚が生成され、古くなった皮膚は垢となって
はがれ落ちます。
しかしながら、加齢により皮膚が老化すると、新しい皮膚の生成までに時間がかかり、古い皮膚が厚く
なって残るため、皮膚の透明感が失われてしまうのです。
そばかすの注意点
そばかすは、皮膚組織内のメラニンを生成する色素細胞で、医学的には雀卵斑といいます。
色白の人に多く見られますが、大人になると目立たなくなることも多いようです。
紫外線を浴びると、斑点の色が濃くなるなるため、紫外線予防はとても大切になります。
サンスクリーン剤は、紫外線A、B 両方に効果があり、SPF15以上のものを使うと良いでしょう。
日焼け後の黒ずみ
紫外線を浴びると、色素細胞が生成するメラニンが増殖し、皮膚が黒くなります。
しみにならない様にするためには、サンスクリーン剤、帽子、日傘等で日焼けした肌を紫外線から
守ることが大切です。
紫外線を浴びなくなると、メラニンの量は減り、日焼け時に生成されたメラニンは垢と一緒に剥がれ
落ちます。
お化粧の時に肌をこすると・・
皮膚は、お化粧や洗顔時に、こすり続けると次第に黒ずみ、しみの原因になります。
表皮のメラニンが増加しただけのしみであれば、こする事をやめるとメラニンは垢となって
剥がれ落ちます。しかし、長期間にわたり皮膚をこすり続けていると、真皮にまでメラニンがたまり、
皮膚が茶色に変色してきます。
また、真皮のメラニンは体内にある大食細胞により消去されますが、色が消えるまでには、
とても長い時間がかかります。
洗顔としみの関係
ごしごしこする洗顔は、しみの原因となります。
特におでこや頬骨のあたりは、骨が皮膚のすぐ下にあるため、力を入れてこすりすぎない様に
気をつけましょう。また、フェースブラシやナイロン性タオルなどを使用すると色素沈着(しみ)が
できやすくなります。できるだけ、素手で泡をなでるように優しく洗う習慣をつけましょう。
しみ予防の栄養素
しみの予防には、「ビタミンC」と「レチン酸」が効果があります。
●ビタミンC・・・紫外線は、皮膚ガンの原因になりやすい活性酸素を発生させますが、この活性酸素を 消去するのがビタミンCです。脂漏性角化症、日光角化症、老人斑に効果があります。
●レチン酸・・・皮膚の老化予防、皮膚の若返りに効果がありますが、日本での販売はありません。
なお、しみ予防、ならびに健康で美しい皮膚を保つには、ビタミンCのみではなく、炭水化物、
たんぱく質、脂質等、バランスのある栄養素を取る必要があります。
しみの兆候
顔は、様々な環境により、しみが最も出来やすい箇所です。常に外気に触れているだけでなく、
紫外線、風、気温、湿度、また女性の場合は化粧により、多数のしみの原因にさられています。
以下の症状は、しみの兆候と判断されます。
●表面の変化・・・肌が盛り上がる、ざらつきがある
●色の変化 ・・・茶色、黒、赤っぽい色の斑点の発生
●感覚の変化・・・つっぱり感、かゆみ、ぴりぴりする
しみ予防のポイント
しみ予防のポイントは、何といっても「紫外線を浴びない事」です。
屋外に出る際には、サンスクリーン剤をこまめに塗り、日傘、帽子、長袖のシャツ、サングラス等の
利用が、しみ予防に大きく役立ちます。
また、子供の日光対策もとても重要になります。10代のうちに浴びる紫外線は、皮膚の老化に
一生影響するからです。
しみが出来る原因
しみが出来る最大の原因は日光に含まれる紫外線です。
浴びた紫外線量と比例して、しみの数は増えます。また、赤く日焼けしやすい皮膚はしみが
出来やすく、皮膚の色が黒い人はしみは少ない傾向があります。
しみは、紫外線の量と、皮膚の性質が影響するのです。
お尻の肌について
お尻は、顔の皮膚に比べて外気に触れることが少ないため、老化が最も遅い箇所です。
年齢を重ねてもお尻の皮膚は、ハリ、きめの細かさ、つや、色、柔らかさ等を保持しています。
それに比べ顔の皮膚は、常に外気に触れ、紫外線を浴びた子供時代から老化が始まり、
若々しい肌の保持が難しくなります。
お尻と顔の皮膚の違いが、紫外線の肌への影響力を明確にあらわしています。
2005年08月30日
紫外線とビタミンD
紫外線に当たると、皮膚の細胞でビタミンDが作られます。ビタミンDは骨や歯を丈夫にし、また、
骨粗しょう症の予防にも役立ちます。
通常の生活の中で浴びる紫外線で、必要なビタミンDは十分合成されるので、
日光浴をする必要はありません。
●1日に必要なビタミンD ・・・・100国際単位(IU)
●1時間に合成されるビタミンD・・・・ 晴れの日 → 500国際単位(IU)
雨の日 → 200国際単位(IU)
紫外線から守る能力
皮膚の表面にある「角層」と「メラニン」は、紫外線を防御する能力があります。紫外線を吸収したり
反射して真皮を守っているのです。
●角層 ・・・ 体内からの水分の蒸発を防ぎ、外界からの刺激から肌を守ります。
●メラニン・・・表皮全体にあり、真皮に届く紫外線量を減らします。メラニンは、表皮の最下層にある
色素細胞(メラノサイト)が紫外線に当たる事により生成されます。
メラニンが増えると日焼けした黒い肌となります。
皮膚の修復能力
紫外線は、様々な皮膚障害の原因になりますが、紫外線を浴びることにより必ずしも皮膚ガンになる
という事はありません。
皮膚には元々、「DNA修復能」という修復能力が備わっています。
紫外線により皮膚細胞の遺伝子が傷つけられると、「DNA修復能」で皮膚を修復するのです。
しかし、紫外線の当たりすぎや、身体の老化により「DNA修復能」が衰えると、
ガン細胞が増殖します。
皮膚ガンの増加
アメリカでは、紫外線が原因である「悪性黒色腫」が近年増加しています。
なお、悪性黒色腫は白人に多く見られ、黄色人種は少ない傾向にあります。
<アメリカ白人の悪性黒色腫患者数と死亡者数の変化>
患者数 死亡者数
1975年 13000人 3800人
1993年 32000人 6800人
紫外線による皮膚への障害
紫外線は皮膚の老化の最大の原因であり、また、様々な皮膚の障害をもたらします。
●皮膚表皮の色素細胞が刺激され、しみや皮膚の黒ずみの原因となります。
●真皮の主成分である「こう原線維」と、「弾力線維」を変性し、皮膚のはりや柔らかさを失う
原因となります。
●表皮の細胞に悪影響を及ぼし、有棘(ゆうきょく)細胞ガン、日光角化症などの
皮膚ガンの原因となります。
サンスクリーン剤の効果:PA
PA(Protection grade of UVA)は、紫外線A防止の効果の数値です。
防止効果は3段階で示されます。+の多い方が効果が高くなります。
PA+ → 効果がある
PA++ → かなり効果がある
PA+++ → 非常に効果がある
サンスクリーン剤の効果:SPF
SPF(Sun Protection Factor)は、紫外線B防止の効果の数値です。数値が大きいほど効果が
高くなります。
【例 : サンスクリーン剤を何もつけないと、15分で日焼けする場合】
<SPF度数> <日焼けするまでの時間>
何もつけない → 15分
SPF5 → 75分
SPF15 → 4時間
2005年08月29日
上手にサンスクリーン剤を使うには
【選び方】
●小麦色の肌が目的・・・紫外線B防止用を選びます。赤くなったり、軽い火傷の症状を防ぎます。
●色白の肌」が目的・・・・紫外線A、B両方を防止するものを選びます。
●水浴やスポーツなどを楽しむ場合・・・ウォータープルーフタイプを選びます。汗や水に濡れても
紫外線カット効果を持続することができます。
【使い方】
日常生活ではSPF20あれば十分効果があります。しかし、塗ってからの時間や汗などで効果は
低下しますので、2〜3時間おきに塗りなおす必要があります。
サンスクリーンによる皮膚への影響
サンスクリーン剤が紫外線によって、成分が変質し皮膚へ悪影響を及ぼすことは、まずありません。
しかし、SPFの高いサンスクリーンは、肌へ負担がかかることがあります。
肌のかぶれ、かゆみ、ひりひり感等が発生した場合には、使用を中止しましょう。
なお、紫外線反射剤はべとつき感が残るため、ほこりや砂などがつきやすいという
デメリットがあります。
サンスクリーンの種類
サンスクリーンには2種類あります。
1: 皮膚を黒く日焼けするためのもので、サンタンオイルやオリーブオイルが使われます。
これらのオイルはB紫外線をカットするため、火傷のような日焼けを防止します。
2: 完全に白い肌を守る効果があります。こちらはA紫外線、B紫外線の両方をカットします。
なお、サンスクリーンを購入する際は、どちらの種類のものか、効果時間や耐水性、また1日のうちに
塗る回数など、使用用途を良く読みましょう。
サンスクリーンの成分
サンスクリーンには「紫外線反射剤」と「紫外線吸収剤」の2つのタイプがあります。
通常SPF10以上のものは、化学物質が含まれています。
●紫外線反射剤・・・ 二酸化チタン、酸化亜鉛などを使用。 A、B紫外線に効果があります。
●紫外線吸収剤・・・ PABA(パラアミノ安息香酸) → B紫外線防止
ベンゾフェノン類 → A紫外線防止
メラニンとは
メラニンは皮膚が紫外線を浴びると色素細胞が生成される顆粒状の物質です。
紫外線を吸収散乱し、強い紫外線から皮膚の炎症を防ぎ、皮膚を守る役割があります。
日焼けした黒い肌とは、メラニンが沢山生成された肌ということになります。
また、最終的にメラニンは角化細胞へ移動して古い皮膚や垢と一緒にはがれ落ちます。
時間や季節で変化する紫外線
紫外線(特にB紫外線)の量は「時間」や「季節」によって、変化します。
【時間】 午前10時から午後2時の間に、紫外線が最も多くなります。
【季節】 紫外線Aの場合、夏には冬の2倍、紫外線Bは冬の5倍の量に増えます。
直射日光のほか、地上、水面、雪などから反射する紫外線にも注意が必要です。
また、曇りの日、強い日差しがなくても、紫外線は雲を通して地上に届いているので、紫外線対策は
必要になります。
紫外線の種類
紫外線は、A紫外線、B紫外線、C紫外線の3つに分けられます。
C紫外線は、オゾン層にほとんど吸収されて 地表には届きません。
しかしながら、A紫外線、B紫外線は、オゾン層にて吸収されることなく地表に届き、また、皮膚を
老化させ、しみ、しわ、皮膚ガンなど様々な皮膚障害の原因となります。
2005年08月17日
スポーツで注意すること
海水浴や、テニス、スキーなど、屋外のスポーツを楽しむ場合は、帽子や長袖の衣服を着用して
長時間紫外線を浴びないように、気をつけましょう。
また、直射日光のほか、水面、地面、雪から反射する紫外線にも注意する必要がありますので、
日焼け止めの利用は欠かせません。。
直射日光を避けるには
日傘をさす、つばのある帽子、サングラスの着用、また、日陰を大いに利用して、紫外線を直接
浴びないようにしましょう。
また、最近多く開発されているUV(紫外線)カットの商品も、皮膚の老化予防に役立ちます。
【UV(紫外線)カットの商品例】
化粧品/手袋/帽子/衣類/カーテン/日傘/サングラス/ハンドクリーム/窓ガラスフィルム など
紫外線の量
1日のうちで、紫外線の量が最も多い時間帯は午前10時から午後2時の間です。
太陽が真南にくる時間に、皮膚の老化の原因になる「紫外線B」が大量に降り注ぐのです。
この時間帯の外出はなるべく避けたいものです。また、子供が外で遊ぶ時間帯も注意しましょう。
外出する場合には、紫外線が直接肌にあたらないように様々な工夫が必要になってきます。
日光浴と皮膚の老化
「日光浴=皮膚の老化」ということを念頭においておきましょう。
健康な皮膚とは「色白」の肌のことです。
「小麦色の肌」というと、健康的なイメージですが、日焼けした肌はすでに老化が始まっています。
日焼けする場合、少しずつ黒くなっていくタイプの方が、赤くやけどのようになるタイプよりは皮膚への
ダメージは軽くすみます。しかし、いずれにせよ日焼けした皮膚は障害を受けていることになり、老化の
原因となっています。
子供と紫外線
赤ちゃんの時から、紫外線予防は必要です。若くみずみずしい子供の皮膚でさえ、紫外線を浴びる
ことにより、皮膚の老化が始まり、様々な障害が発生します。
また、一生のうちに受ける80%の紫外線は、既に子供の頃に浴びてしまう事も判明しています。
海外では、子供を日焼けさせないように、メディアを通じてさかんに呼びかけている国もあるくらいです。
2005年08月16日
洗い方の基本
顔や体の洗い方の基本は、洗顔料や石鹸等を手に取り、よく泡立てて、手でやさしく
「なで洗いをする事」です。背中は手が届きませんのでタオルなどが必要ですが、決して強くこすらない
事が大切です。
「なで洗い」は、皮膚の乾燥を防ぐことが出来ます。
また、汗やアカ、ほこり等は、水やお湯で落とせますので、手によるなで洗いで十分に汚れを落とす
ことが可能なのです。
しわの種類
しわにも色々な種類があります。
●小じわ・・・目や口のまわりの小さくて浅いしわのこと。 乾燥が主な原因で出来る。
●日光じわ・・・紫外線を浴びることにより出来る深いしわ。
●表情じわ・・・笑う時など、表情筋が収縮することにより出来るしわ。
おでこ、眉間、口のまわりに出来る。
しみの種類
しみにも色々な種類があります。
●肝斑(かんぱん)・・・女性の顔によく見られ、紫外線を浴びると色が濃くなる。
妊婦中に出る事が多いが、出産後は自然に治ることも多い。
●発疹後色素沈着・・・ニキビや肌荒れなどが治った後に出来る。炎症を繰り返さなければ回復する。
● 日光角化症・・・紫外線の影響で皮膚が変化する。皮膚癌に進展する可能性もある。
●脂漏性角化症・・・紫外線の影響が大きい。やや盛り上がりのある丸か楕円形のしみ。
老人斑ともい われる。
スキンケアの必要性
スキンケアを行うことにより、皮膚の老化の予防、皮膚の病気の予防、さらに、美しい皮膚を維持する
ことにより精神的にも良い状態を保つことができます。
また、スキンケアで最も重要なことは、以下の3点です。
1.紫外線を浴びない
2.皮膚を清潔に保つ
3.乾燥予防のための保湿成分と油分の補給
ハリと潤い
ハリのある皮膚は、指で押してもすぐに元の状態に戻る弾力のある皮膚のことをいいます。
また、皮膚のうるおいとは、皮膚表面の角質層に含まれる水分量であり、つややかでうるおいのある
皮膚を保つために大いに関係があります。
なお、黒く日焼けした皮膚は健康ではありません。色白の皮膚が健康なのです。
美しい皮膚の保ち方
皮膚は人間の体の一部であるため、歯や目と同じように老化します。皮膚の老化の進行には
個人差がありますが、美しく健康な皮膚を保つためには、太陽光線に含まれる「紫外線」と「乾燥」
対策が欠かせません。
また、皮膚の老化の要因の1つである「紫外線」は、一生の間に浴びる80%以上を15歳頃までに
受けている事がわかっています。
キメのある皮膚
キメのある皮膚とは、皮膚の表面にある皮野(ひや)と、皮溝(ひこう)という細かい模様が
はっきりしている「キメの細かい美しい肌」のことをいいます。
「皮溝」・・・皮膚の表面のくぼんだ線状の溝
「皮野」・・・皮溝でかこまれた部分
垢と乾燥予防
垢には、皮膚の水分と脂分が含まれていて、体内の水分の蒸発を防ぎ、しっとりとした美しい皮膚を
保つ役割があります。そのため、垢をゴシゴシとこすり落としてしまうと、皮膚が乾燥してしまうのです。
洗顔や体を洗う際には、石鹸等で優しくなでるようにしても、汚れは十分に落とせますし、
皮膚の一部である垢は、古くなると自然にはがれます。
皮膚の汚れ
皮膚は色々な成分や物質で汚れます。
●空気中のごみ、塵、ほこり
●汗
●皮脂
●垢
●化粧品
これらの汚れは、石鹸等を使って優しくなでる様に洗っても十分に落とす事が出来ます。
ゴシゴシ強くこする必要はないのです。
皮膚の働き−防護・包囲
皮膚は、体全体を膜のように覆っています。
そして、体に害のあるものや不要なものが体内に入らないようにし、また、体に必要な成分が、体外に
出て行かないようにする役割があります。さらに、外部からの衝撃をやわらげ吸収する働きもあります。
体の「膜」である皮膚が、やけどにより破壊されると、体内の必要な成分が失なわれ、
命が奪われることもあります。 また、皮膚のない目は、ものが直接触れると痛みを感じます。
皮膚の働き−知覚
皮膚には、5つの神経がはりめぐらされており、それぞれの感覚が皮膚から脳へ伝達されます。
1.温覚 ・・・・熱い、温かい
2.冷覚 ・・・・冷たい
3.触覚 ・・・・かたい、やわらかい
4.圧覚 ・・・・押される、つかまれる
5.痛覚 ・・・・痛さ
2005年08月15日
皮膚の働き−分泌と排泄
皮膚には、皮脂を分泌する脂腺と、汗を分泌するエクリン腺があります。
「皮脂」は、毛穴から出てきて、皮膚を乾燥から守り、また柔軟にする役目があります。
洗顔後に、おでこや鼻が脂っぽくなるのは、皮膚に必要な皮脂が出てくるためなのです。
「汗」は、水分がほとんどですが、塩分や、その他体内の成分を含み、体内から排泄する役割を
もっています。
皮膚の働き−体温調節
皮膚には、体内の熱を放出する働きと、皮膚の表面を冷やす働きがあります。
●熱の放出
体温が上がると、皮膚内にある無数の毛細血管が太くなり、血液の流れが良くなります。
そのため、体内の熱が放出されやすくなります。
●皮膚の冷却
汗をかくことにより、汗が皮膚上の熱とともに蒸発し、皮膚を冷まします。
2005年08月11日
皮膚の働き
まず知っておきたいことは、皮膚には4つの重要な働きがあるということです。
1.体温調節
2.分泌と排泄
3.知覚
4.防護・包囲
また最近、皮膚には免疫作用があり、我々の身体を病原菌などから護って抵抗力を高める働きもあることが確認されてきました。